• 2017.09.2908:00
  • 就活マナー

「ブラック企業」と言う言葉、採用担当者はどう思う?

ある採用担当者は、「ここ数年で、採用面接の際に残業時間に関する質問がかなり増えた」(男性/47歳)と漏らします。続けて、「部署によっても違うし、その時々で仕事の量は変わるもの。まったくないとは言わないと、次は“残業手当は出るんですか?”と。ケース・バイ・ケースなどというと、今度は裏で“ブラック”認定(笑)」と苦笑い。
 
最近の社会問題と相まって、学生側にも企業の“働かせ方”について問題意識をもつ風潮が強まっているようです。そこで今回JOBRASS編集部では、採用担当者100名に対し、学生の間で「ブラック企業」という言葉が軽く使われすぎだと思うことがあるかどうかアンケート。「ある」と答えた担当者には、どのようなときに思うのかも聞いてみました。
 
【学生の間で、「ブラック企業」という言葉が軽く使われすぎだと思うことはありますか?】
・あてはまる 29.0%
・まああてはまる 49.0%
・あまりあてはまらない 18.0%
・全くあてはまらない 4.0%

 

 
アンケートの結果、「あてはまる」「まああてはまる」の合計は78%。8割弱にのぼる担当者が、「ブラックという言葉を軽く使いすぎ」だと思っている実態があるようです。では、そういったときにそう思うのでしょうか?
 

 福利厚生、残業のことばかり

 
もっとも多かったのは、残業や休暇など福利厚生について言及する意見でした。
 
・福利厚生と賃金しか眼中にない。ちょっとでも気に入らないとすぐに「ブラック」という。他に行ってください(男性/総務・人事・事務/42歳)
・ちょっとでも残業や休日出勤、肉体的、精神的につらいことがあれば、なんでもかんでも「ブラック企業」のひと言で安易にまとめてしまう傾向があると思う(男性/コンピュータ関連以外の技術職/41歳)
・残業があるだけでブラックとか言う学生や、やりたい仕事がやれない会社をブラックなどと言う甘い考えの人が多すぎる。学生が会社を選ぶように会社だって学生を選んでいることを忘れないでほしい(女性/総務・人事・事務/41歳)
・残業したくない、残業代が欲しい、転勤したくない、というのであればずっとアルバイトをしていればいいと思う(男性/コンピュータ関連技術職/33歳)
・労働時間の長短だけでブラックか否かを決めるのはどうかと思う(男性/公務員/48歳)
 

 残業がすべて悪ではない

 
もちろん違法、社員の勤務実態を無視した過酷過ぎる残業を強制させる企業が「ブラック」とされるのは確かです。でも、だからといって残業があるだけで「ブラック」なわけではないし、必要な残業もある、という声も多数。
 
・残業は必要であればするべき。残業はすべて悪いわけではない(男性/研究・開発/35歳)
・企業が発展するためには、ある程度の残業は必要。きれいごとばかりでは発展しないと思う(男性/総務・人事・事務/45歳)
・どれだけ経験するかで、仕事のできる出来ないが出てくる、その経験が残業や休日出勤な場合もあり得る。内容にもよるが、あまりにも残業や休日出勤イコールブラック企業と決めつけすぎな事も多いみたいな感じがする(男性/研究・開発/45歳)
 

 自己中心的な態度

 
残業や福利厚生のことを気にする態度は、程度によっては自分のことばかり考える“自己中心的”なタイプかと思う担当者も少なくないようです。「そういう人とは、一緒に仕事ができないなと思います」(女性/総務・人事・事務/40歳)。
 
・自己中心的な考えしかないのだろうなと(男性/その他/42歳)
・そういっておけば、自分のせいにならない。自分が攻められるのがいやで、会社のことを悪く言っておけば免れるだろう、みたいな雰囲気を感じる。「ブラック」って言っとけ、みたいな(女性/その他/48歳)
・会社は絶対的に公明正大であるべきだという傾向が強すぎるので、些細な事でも自分の主張と合わないとブラックと言うから(男性/総務・人事・事務/46歳)
 
「誤解となるような安易な受け取りはまずいが、火のない所に煙は立たず、そのように伝わる・思われる企業に問題はある」(男性/総務・人事・事務/41歳)
「実際、労働基準違反をしている会社が存在する」(男性/営業・販売/36歳)
 
という声もありますが、
 
「仕事はある程度辛いものです」(男性/営業・販売/43歳)
「厚労省が発表している「ブラック企業」は別ですが、ブラックと思うかどうかは個々人の感じ方(男性/会社経営・役員/46歳)
「まだ働くということがなんたるかをわかってないのに、企業を“判定”するような言葉を軽々しく使うべきでない」(男性/公務員/30歳)
 
など、個人の意見、しかもまだ社会人として働いたことがない学生が軽い気持ちで「ブラック」と口にすべきではない、という意見が多いもよう。企業を研究するときは、是非さまざまな角度から、総合的に!
 
 
【調査概要】
方法:JOBRASS就活ニュース調べ(インターネット調査)
調査期間:2017年8月16日~2017年8月23日
対象:企業の採用担当者 計100名

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