• 2017.04.1111:30
  • 面接/筆記/ES対策

【石渡嶺司コラムvol.1】就活勝手にランキング  JOBRASS1000字自己PRの書き方を勝手にランキングしてみた

JOBRASSを登録する際、学生にとって大きな関門となるのが自己PRです。
通常のESだと200字から400字、多くて500字程度しかありません。その点、JOBRASSだと最大で1000字もあります。
ここまで長く書くことを要求する企業はそうそう多くありません。
その結果、何を書けばいいか、悩む学生が出てきてしまいます。
まあ、結論から言えば、1000字で1ネタ通してもいいですし、分けて書いても、どちらでもいいわけです。
なお、JOBRASSの規約などから言っても、1000字ぎりぎりまで書くか、あるいは、どの程度書くかは学生の自由です。
とは言え、長く書くかどうかは、それぞれメリット・デメリットはあります。
 

 1000字自己PRは自己PRだけなのか?

 
その前に前提条件を整理しておきましょう。すなわち、
 
「1000字自己PRは自己PRだけなのか?」。
 
何を当たり前のことを、と思われ方、本当?
本当に、1000字、延々と自己PRだけで通せます?1000字、ひたすら、「私には~能力があります」と書くのですよ?
そんなの、書く気にならない方が大半でしょう。
仮にいたとしたら、悲しいお知らせが一つ。そんなの誰も読んでくれません。1000字どころか、500字だってしんどいですよ。
大半の学生は、自己PRを書く際、自己PRの補強材料としてガクチカ(学生時代に力を入れたこと)を持ってきているはず。
この方法だと、自己PRを補強することができます。
さて、多くの学生がガクチカを自己PRの補強材料として使いつつまとめる、となると、その文字数はどうでしょうか。
JOBRASS以外の自己PRは大半が200字から400字程度でしょう。ところが、JOBRASSの自己PRは1000字。400字書いていたとしても600字分、すかっと余るわけです
 

 「どう書くかは学生次第」を無視してランキング

 
では、この余りをどう埋めるのか、あるいは分割するのか。それは学生次第です。
という前提のもとに、私がこれまでに見てきた1000字自己PRの書き方を5パターンに分類。
勝手にランキングしたうえでメリット・デメリットをまとめてみました。
なお、このランキング、当然ではありますが、私・石渡の独断と偏見によるものです。JOBRASS運営の皆さんが関与しているわけでなく、推奨しているわけでもありません。自己PRを書く際は自己責任でどうぞ。
 

5位:300字~400字程度を1ネタ書く

・実施学生数:多数
・メリット:他社のエントリーシートと同じ内容で書ける。そのため、使いまわしが可能。
・デメリット:1ネタしかないのでアピール効果が低い。
・コメント:圧倒的に多いのがこのパターン。JOBRASSをメインしない(他社の就活ナビがメイン)、1000字も何を書けばいいかわからない、などが主な理由のようです。これが一般的なESで200字ないし400字程度しか書けない、ということであれば1ネタで通した方がいいです。が、JOBRASS自己PRは1000字もあるわけですから、これはちょっともったいない書き方ではあります。
 

4位:200字~250字程度を4~5ネタ書く

・実施学生数:ほぼゼロ
・メリット:アピールポイントが多く、企業側も吟味できる。
・デメリット:アピール項目が多く、1ネタあたりの濃度が薄くなる。
・コメント:4ネタ以上、書き分ける方は私もこれまでに数人程度しか知りません。1000字以内の制限を目一杯使っており、ユニークではあります。が、あまりにも詰め込みすぎ。それと、ガクチカならまだしも自己PRです。よくよく読んでいくと、1ネタそれぞれのリアリティが感じられません。詰め込みすぎていることからアピールポイントを整理できていない、と誤解されるリスクも出てきます。
 

3位:800字~1000字を1ネタ書く

・実施学生数:多数
・メリット:1ネタについて、かなり細かく書ける。リアリティが出てきてどういう学生か、よくわかる。
・デメリット:文章力のない学生だと一文がそれぞれ長文化。とても読みづらくなる。補強材料のガクチカが少ししか書いていないと、自慢話だけで読む気がなくなる。
・コメント:このパターンを選ぶ学生は「400字・1ネタ」と同じくらいの多数派です。どちらかと言えば、「1000字以内とあるから800字か900字くらいは書かないとダメだろう」と指示をきっちり守る、まじめなタイプが多いですね。JOBRASSをメインに就活を進めようとしている方が多いのも特徴です。一般的なESの文字数制限、300字ないし400字程度の自己PRと違い、1000字もあります。補強材料のガクチカについても、かなり細かい部分まで書けます。そのため、うまくはまれば、企業へのアピールが強力となります。
このパターンの問題点は文章力とガクチカの取り扱い方です。学生の皆さん、本や新聞、ネット記事、雑誌をあまり読まれないこともあってか、それほど文章力が高くありません。文章力が低いと、どうなるか。具体的に言えば、一文あたりの文字数が極端に増えます。一文が60字、70字、あるいは100字以上、平気で書く方も。そこまで長いとかなり読む気がなくなります。
目安としては30字から40字程度。どんなに長くても50字程度にしておきましょう。それ以上長くなるなら、適度に切った方がより良くなります。
 
もう一点は、補強材料のガクチカの扱いです。
本来なら自己PRの補強材料としてガクチカを使います。ところが1000字も長く書くと、補強材料であるはずのガクチカをどう使うか、迷走する学生が出てきます。
まずいパターンとしては、ガクチカの記述量を減らして自己PRを中心にするものです。確かに一般的なESだと文字量が300字~400字程度ですから、ガクチカの記述量はある程度抑えるのが一般的です。ところがJOBRASS自己PRだと1000字。そこに補強材料だから、とガクチカの記述量を減らし、自己PRを長く書くとどうなるでしょうか。自己PRの長さが目立つようになります。そうなると、自己PRというか、自慢話ばかりで具体的な話が見えてこなくなります。悪く言えば、書くネタがなくて適当に水増しした大学のレポートのようなものに化してしまうのです。
800字から1000字も自己PRを書くのであれば、補強材料のガクチカは一般的なESよりも長く書くべきです。具体的には600字から800字書いて、そのうえで自己PRをつけるくらいでもちょうどいいかな、と思います。
 
 

1位(同率):400字~500字程度を2ネタ書く/300字程度を3ネタ書く

・実施学生数:少数
・メリット:アピールしたい内容を複数書くことで企業側にアピールできる。
・デメリット:見せ方に工夫がないと読みづらい。
・コメント:たまに見かけるのが、2~3ネタをかき分ける自己PRです。この方法だと、複数のネタをアピールすることが可能となります。学生からすれば、アピール順位の低いネタだったとしても、企業側の視点は異なります。意外と評価することも多々あります。
私は2ネタないし3ネタをかき分けるのが一番と見ています。
 

見出し、行空け、改行で効果的に

書き分ける際に、こだわりたいポイントは3点。見出し、行空け、改行です。
1点目の見出し、実は一般的なESにおいて見出しを入れる必要はない、私はそう考えています。1ネタしか書かない訳ですし、文字数が限られているのに見出しを入れるとその分だけ文字量を使います。これはもったいないな、と。
しかし、JOBRASS1000字自己PRで複数のネタを書く場合はどうでしょうか。文章としてまとめていくのもいいですが、見出しを使うと効果的です。
2点目の行空けもJOBRASSならではでしょう。他のESならまずありえませんが、JOBRASS1000字自己PRなら有効です。
3点目の改行も同じ。これがネット送信可能なESだと、改行できないか、できてもその余裕がありません。
以上3点にこだわりつつ、複数のネタを書いていくとより具体的な自己PRができるはずです。
 
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【筆者プロフィール】

石渡嶺司(いしわたり れいじ)

 
大学ジャーナリスト
 
1975年生まれ。北海道札幌市出身。1999年東洋大学社会学部卒業後、日用雑貨の実演販売、編集プロダクション勤務などを経て2003年から現職。大学・就活関連の取材、執筆活動を続ける。当初から「大学勤務も採用担当者経験もないくせに」と批判されているが、14年経った現在も仕事が減りそうにない変わり種。
著書『キレイゴトぬきの就活論』(新潮新書) 、『女子学生はなぜ就活で騙されるのか』(朝日新書)、『就活のコノヤロー』(光文社新書)、『教員採用のカラクリ』(共著、中公新書ラクレ)など多数。

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