• 2020.01.1709:00
  • 就活入門

安定イメージを持つ会社に勤める社会人が告白「”大企業”=”安泰”ではない」

1997年、当時四大証券会社の一つであり、そこに勤めているといえば「スゴい!」などと言われる会社だった「山一證券」が破たんしました。それから20年経った今、東芝が再び経営危機にさらされています。
「どの企業にも“絶対”ということはない」と言うのは、いわゆる大企業といわれる会社に勤めるKさん(33歳)です。勤務先を言うと、十中八九「いいねえ、安泰で。年収もいいんでしょ」という言葉がかえってくる、とうんざり顔のKさん。
そんなKさんに、話を聞きました。
 

 

 “良い”部分が飛びぬけて多いわけではない

Kさんが最初に配属されたのは、子会社。多角化経営の一環でつくった会社で、今はもう別会社に売り払っているそうです。

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スタッフ”]別会社に売り払うとき、社員の方はどうしたんですか?
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当時の先輩たちは、本社に戻るか、退職してそちらの会社に行くかという二択を迫られました。退職して別会社に行った人たちには、会社からそこそこのお金が出たようですが、別会社の人たちにしてみれば“異分子”ですし、そもそもその会社に入社したかったわけではありませんから、気持ちとしては複雑ですよね。本社に戻った人たちも、すでにいい年齢ですし、その後は出世するわけでもなく、淡々と過ごしているようです。ウツになった人も何人もいました。
 
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スタッフ”]クビにはならず、”いい会社”という感じもしますが…
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[speech_bubble type=”fb-flat” subtype=”L1″ icon=”1.jpg” name=”Kさん”]
もちろんそういった見方もできますが、実際はリストラも多いです。そして大企業=福利厚生バッチリ、というイメージが強いのですが、福利厚生ってなんですかね? 休日とか、そういうことですか? 別にそれは大企業だからとか、中小だからとかではないですよね。家賃補助も1万数千円で、企業名のインパクトにしては「多い」というわけではありませんよね。
 
「年収もいいでしょ!」ってよく言われるんですが、「いい」ってどの程度ですかね? 確かに社名+年収で検索すると、平均年収とか出てくるんですが、それって、上の何千万円ももらっている人たちとの平均だから、結果として良いように算出されているだけのような気がします。だってそんなにもらっていないですもん、現実的に。入社5年目の商社マンとか、広告代理店の人とかに、余裕で負けてますよ(笑)。
 
子会社が売られていき、リストラされる人をみて、一緒に働いている人がウツになる姿に接したことがある身からすると、安泰って、何をもって安泰というのか、そして何をもって“大企業はイイ”というのか、ほんと、聞いてみたいです。
 
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 メリットもあるが、“埋もれがち”になることもある

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スタッフ”]大企業のメリットはなんですか?
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大企業のメリットはありますよ。家や車を買ったりするときなんかは、企業名で大体信用してくれるので、便利だといいますね。でも、内情を知らないのに、イメージだけで「いいね」って言わないでほしい、というのがホンネです。
 
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スタッフ”]Kさんはどうしてこの会社に入ったんですか?
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私がこの会社に入った理由は、面接してくれた採用担当者の人がいい人だったからで、今でも会社にいる理由は、就職させてくれたから、それだけです。年収がいいからとか、福利厚生がいい(“良く”はないですが。フツーです)からではありません。日々の仕事を淡々とするだけです。

私からしてみると、正直いって、中小企業でもイキイキとやりたいことを一生懸命やっている人のほうが輝いて見えることもあるんですよ。就活のときは、どうしても大企業、有名企業ばかりに目がいきがちです。確かに相応のメリットはあるでしょう。でも、たくさんの人がいるなかで、自分が“埋もれがち”になるのも事実です。
 
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 まとめ

大企業で何かを具現化するのは、大変な忍耐力と実力が必要になります。実現したときにはその分の達成感や社会的インパクトは大きなものになりますが、そこまでできる情熱と覚悟があるか。なければ、ただ「こんなはずではなかった」とガッカリし、会社と家の往復をするだけの毎日になりかねません。
 
これから就職をする人には、企業の「実情」まで踏み込んだ情報収集をして、企業規模にとらわれず、「自分のやりたいことは、どうすれば具現化できるか」ということを、考えてみて欲しいと思います。そして、自分が就職した会社を誇りに思ってくださいね。

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