• 2016.07.1904:00
  • 企業/業界研究

超巨大! 三菱グループの企業研究

日本のGDPの1割を稼ぎ出すと言われる三菱グループ。創業者である岩崎弥太郎はかつて、「三菱は岩崎家一個のものではなく、国家社会のための三菱である」と説きました。三菱グループは巨大組織であり、グループ内の企業同士も結びつきの強いグループですが、どんな企業があるのでしょうか。どのような活動を行っているのでしょうか。

 

 三菱グループとは?

三菱グループは、戦前の三菱財閥の流れをくむ企業グループです。創業者は岩崎弥太郎は、幕末から明治にかけての激動の時代に、土佐藩の藩士として、武器や艦船の輸入、土佐産品の輸出業務のため長崎に派遣されていました。土佐藩の海運事業を行っていた九十九商会(1874年設立)が、「三菱」の始まりとされています。創業時は海運業と商事が中心でした。

 
三菱のマークは、九十九商会が船旗のマークとして採用した三角菱が原型です。岩崎家の家紋と組み合わせ、現在の三菱マークとなりました。余談ですが、全く同じマークを使っている三菱鉛筆は、三菱グループがこのマークを使い始めるより前に商標登録をしていたため、三菱グループとは関係ない企業ですが、同じマークを使っています。

 
三菱グループの主要企業は、三菱広報委員会の会員となっています。三菱広報委員会は、「三菱系企業、三菱グループ各社のイメージ向上を図り、社会の発展に貢献することを目的とする様々な活動」を行っています。(参照:http://www.mitsubishi.com/mpac/j/)三菱グループには共有する「三綱領」があります。第四代社長によって1930年代に記されたものですが、今なお、有効な内容で現在も引き継がれています。

 
▪「立業貿易(グローバルな視野):全世界的、宇宙的視野に立脚した事業展開を図る。」
▪「処事光明(フェアプレイ、コンプライアンス):公明正大で品格のある行動を旨とし、活動の公開性、透明性を堅持する。」
▪「所期奉公(社会への貢献を期する):事業を通じ、物心ともに豊かな社会の実現に努力すると同時にかけがえのない地球環境の維持にも貢献する。」

 
この綱領は、グループ各社が共有する企業姿勢で、時代を超えて継承されていくものです。大きく違反してしまうと、三菱グループから外されてしまっても仕方がないようです。

 
三菱グループの中核企業は、三菱金曜会という懇親会に参加しています。1954年に始まり、毎月第二金曜日に各社の会長社長がともに昼食をとりながら懇談しています。

 
トップレベルが懇親するだけでなく、実務レベルでも、必要なものはグループ内で調達する傾向があります。グループ各社の本社・支社は三菱地所系列の保有するビルにおかれている、三菱地所のビルのエレベーターやエスカレーターは三菱電機製のものといった形です。

 
福利厚生面でも、グループ社員が使える福利厚生施設を共有していたり、グループでスポーツ大会をしたりと交流が図られています。また、三菱広報委員会は1965年から、「マンスリーみつびし」という広報誌を発行しており、加盟各社の社員と家族のコミュニケーションを図っています。半世紀以上が経過し、現在は毎月40万部が発行されています。

 

 三菱グループの企業

三菱グループには数多くの企業があります。世界44カ国におよぶ海外企業も含めると、757社、日本国内だけでも348社を数える一大勢力です。売上高は、58兆円、これは世界各国の予算規模で10位前後のスペインやオーストラリアの国家予算に匹敵する額です。日本の国家予算の約4分の1、巨大なパワーを持つ企業グループです。個々のメンバー企業にはどういった企業があるでしょうか。

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