「尊敬する人」を聞かれたら誰が思い浮かぶでしょうか。新卒の面接で聞かれることがある質問として「尊敬する人は誰ですか?」というものがあります。急に聞かれると準備ができていなくて、困ってしまう人もいるようです。あなたならどう答えますか?
筆者も就職活動生と毎年何回も面談をしていると、一度はこの質問が話題にのぼります。ただ大抵の場合、その就活生が気にしているポイントがずれているのが残念です。巷で就活情報として出回っている話をいくつか読んでみても、「気にするのはそこじゃないと思うよ?」というような情報が書いてあることが多いのでしょうがないですよね。
10年間現場で面接を担当してきた筆者の立場から、本当に大切なポイントを伝えますので、ぜひあなたは勘違いしないように理解してほしいと思っています。
この事実をまずは刻み込んでください。面接は、あなたのことを知るための場所です。そこで、面接官はあなたの尊敬する人を質問することを通じて「あなたの生き方、人または物事に向かう姿勢」を聞いているのです。あなたが、尊敬する人に影響を受けたり共感していたりしていて、その人と同じように生きている(または生きていこうとしている)のだろうと感じるのです。その生き方が会社に迎え入れる仲間として望ましいかを判断したい、というわけです。
つまり、あなたの生き方や人または物事に向かう姿勢などといった、コアの部分が相手に伝わりさえすれば、尊敬する人は誰を挙げたっていいのです。このあたりを勘違いしている人は、誰を挙げたら恰好がつくのかを一生懸命考えたりインターネットで検索したりしてしまうのではないでしょうか。しかしいくら調べても、結果的に大事なポイントを外しているので、実際には伝わらない話になってしまうのです。
もう一度言います。誰を選べば正解ということはありません。答えはインターネット上にも面接対策本にもなく、あなたの中にしかありません。むしろこれまで全くそんな人を意識もしたことなかったのに、インターネットでサクッと探して「ああそういう歴史上の人物がいたよね、よしこれにしよう」という程度の人を話したところでそのあとに続く言葉には何の厚みも実感もないでしょう。伝わりません。
あなたの気持ちから素直に挙げることができる人物を通して、あなたが価値を感じている生き方や、大切にしている人や物事への姿勢が伝わるのかということを意識してください。
ポイントを理解したうえで、(1)尊敬している人と(2)どんな所を尊敬しているか? という2つの質問をセットで考えておきましょう。
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