- Profile
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氏名:辻井 繁成
職種:人事課長
入社:2008年5月
部署:経営管理室 人事課
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実家が菓子製造業を営んでいることから食品の販売には馴染があり、小売業界の魅力をより深く追求したいという思いから入社。2008年5月、事業拡大にともないグループ会社から出向という形で現職に着任。「気づき、気配り、心配り」をモットーにしている。
What I do -こんな仕事をしています-個人のモチベーションを最大限に生かす人事制度を。
以前、私はグループ会社の「阪急オアシス」にいました。同じグループであっても、別の環境で運用していた人事制度をそのまま当てはめようとしても浸透しない。「阪急デリカアイ」に来て、まずブチ当たったのはそこでした。
阪急オアシスの職場は序列がはっきりしていて指示系統が明確でした。しかし、私が着任した当時の阪急デリカアイにはまだそうした職場風土が根付いておらず、出した指示が現場にまったく伝わらないということも多々ありました。
阪急オアシスの社風は「販売」に特化し、阪急デリカアイの社風はどちらかというと職人肌で「モノ作り」に寄っていました。部署や職種の考え方の違いから働きやすさにも影響が出ていたので、まず現場のスタッフと積極的にコミュニケーションを取るところからはじめました。朝の挨拶や喫煙ルームや昼休憩の何気ない会話。ひとりひとりがどんな考え方を持っているのか探りつつも、一方で話の中に会社全体として向かっている方向をさりげなく挟むように心がけました。
現場のスタッフから、『人事』がお高くとまって見えていることも理解していました。その上で、書類の手続きや提出物なども含め、現場の負担をできる限り省くために、とにかく多くのスタッフに声をかけ、じっくりと話をしていきました。
People and culture -働きやすい職場-キャリアや年齢にこだわらない風通しの良い職場、そして会社全体のことを考えながら仕事をする喜び。
阪急デリカアイの人事に着任した当初、会社を見渡してみて気になった点がいくつかありました。 ひとつはスタッフが高齢化していること。もうひとつは皆、良くも悪くも職人気質で自分の仕事のクオリティのみを追求しがちになっているという点でした。目の前のことに真摯に取り組みつつも、自分の手を離れれば仕事は終わり。そういう感覚で仕事をしているように当時の私の目には映りました。 2015年まで、阪急デリカアイは17年間、新卒を採用していませんでした。そのことで部下や後輩の教育に慣れていないのではないか。しかし一緒に働く仲間に対して、何らかの想いは持っているはず。私はそう考え、部門長やラインリーダーとさまざまな話をしました。 まれに衝突することもありましたが、ぶつかるということはやはりそれだけ想いがあるんだと私は思いました。コンプライアンスに則り、全社的な目線で息の長い働き方をする。歴代の製造部長と激しく意見の言い合いをしながらも、阪急デリカアイに欠けている部分を根気よく働きかけていきました。 今では、その当時のことは笑い話になっています。 会社の風土を変革し、根付かせることは一筋縄ではいきません。しかしあの頃、全員の力を結集して取り組んだ結果が、現在のひとりひとりが責任感を持ちつつも、人と人とのあいだに余計な垣根を作らないこと。腰を据えて働き続けられる安心と仕事のやりがいを感じられる制度や環境につながっているとすれば、人事の人間としてこんなに嬉しいことはありません。
My work -先輩たちの働く姿-「出来る」から「伝え育てる」へ。阪急デリカアイイズムを根付かせる。
2015年に30名の新卒社員を採用する以前、会社を継続的に成長させていかなければならない、またグループ会社全体の目標として売上増が掲げられる中で、どう考えても人が足りないというのが私の率直な感想でした。中途採用、正社員登用という形で底上げを図ることはそれまでもありましたが、長く安定して勤続できる人材を確保したいという想いから、私は新卒の採用を直訴しました。 当時、阪急デリカアイのスタッフは全員で64名。そこに新卒30名。17年ものあいだ新卒採用がなく、指導・教育の経験に乏しいラインリーダーや先輩社員は、必死になって勉強しました。それだけの人数の新卒社員を育て上げ会社の主力にしていかなければいけない。そのためには自分ができるだけでなく、できることを伝えるスキルも磨かなければならない。ひとりひとりが、そう自覚したんだと思います。それぞれが自身のスキルアップに真剣に取り組み始めました。 これまで人事を通して多くの「人」と関わってきましたが、このときほど阪急デリカアイがひとりひとりと目線を合わせ、「気付き、成長していく」集団なんだなと感じたことはありません。 働いている限り、根本的な想いは全員同じです。「いきいき働きたい」「お客様に良い物を届けたい」。これまでと違ったやり方に反発が出ることも稀にありますが、ぶつかり合いながらも互いに歩み寄り、気付き、成長してきた当社の歩みを私は誇らしく思っています。
We are looking for people who… -私たちが求める人材- 一人は皆のために、そして皆で一つの目的に向かっていくために。
当社には多くの部署がありますが、事業の根幹は製造・販売です。 そのため製造スタッフにはすぐれた職人的な気質、真摯に物事に打ち込む姿勢を期待しながらも、今後はそれだけではないアドバンテージが必要だと考えています。その基本にしてほしいのが「気付き」「気配り」「心配り」。これは私自身も大切にし、スタッフに対してもよく話をしています。 たとえば会社の床にごみが落ちている。それに気付いて、率先して拾って捨てるという行動を取ってほしい。当然のように思えますが、やはり人が多いと見て見ぬ振りをしてしまう。そうではなく、それに気付ける、行動できる自分であってほしいと話します。体調が悪い、仕事に行き詰っているなど、一緒に働く仲間への気配り、心配り。私が重要視しているのは何よりもそうした人柄の部分です。 昇進や昇格にやる気を見出すのもひとつです。新人にはそういう勢いも大切にしてほしいと思います。ただ、当社の仕事は一人で成し得ないことが多々あります。そして、そういう仕事にこそ挑戦してほしいと考えています。 どう考えても一人ではできない。じゃあどうするか、部署をまたいで相談や協力をお願いする。そんなときに、自分と他者を線引きしてしまっては前進できません。 今、2015年に入社した新卒の社員が配属先で力を付けはじめています。スタッフの高齢化が進む中、彼らこそが今後の阪急デリカアイを担っていく最初の世代だと私は期待しています。そして、そろそろ別の部署でも持てる力を発揮してほしい。得意分野や個性は持ちつつも、会社全体を見ることができる人材に育ってほしい。これから入社される方は、そんな先輩の背中をしっかり見て、自らが何をすべきかを学んで欲しいと思います。