• 2016.08.2404:00
  • 就活入門

理系は本当に就職に有利か~企業が文系学生に期待していること~

最近、理系の学生の方が就職活動に強いとよく言われます。確かに、各メディアで紹介される「就職に強い大学ランキング」の上位は工学部系の大学つまり理系の大学が上位を占めていますが、文系・理系でみるとどうなのでしょうか。また併せて文系が企業に求められることも考えてみましょう。
 

 理系学生の内定率は高いのか

文部科学省が調査した2015年3月卒業者の学生の就職状況を見てみると、文系の内定率は97.1%、理系は98.2%でした。国公立文系は96.4%、国公立理系98.8%、私立文系97.3%、私立理系97.8%となりました。
 
参考:文理別内定状況(文部科学省平成27年度大学等卒業者の就職状況調査)
http://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/28/05/__icsFiles/afieldfile/2016/05/20/1371161_1.pdf

 
次に、民間会社が調査した2015年卒学生の就職率を学科系統別でみてみると、学部系統でみると、看護・保健・医療系(91.8%)、家政・生活・栄養系(90.0%)をはじめ、福祉系(89.2%)が高い数値を出しています。理系に特化してみてみると理工系(89.2%)、農学部(86.8%)薬学部(79.7%)となり、文系の商学・経営(84.7%)、経済系(83.9%)、国際系(82.6%)と大きく差があるとは言い切れません。
 
参考:出口(就職)から考える大学選び
http://www.univpress.co.jp/university/deguchikara/
 
比較する上で注意すべき点は学部学科系統では学生数が大きく異なっていることです。就職率が高いとされている医学・歯学部、薬学部、農学部などは学生数が少なく、純粋に文系と比較するべきではないでしょう。またこれらの学部は医者や薬剤師などある特定の職業に就くために必要とされる学部であるため、職業学校の色が強いように思われます。「彼らにしかできない仕事】が存在しており、就職率は高くなるのは当然といえそうです。
 
参考:文部科学省学校基本調査-平成27年度(確定値)結果の概要(高等教育機関)
http://www.mext.go.jp/component/b_menu/other/__icsFiles/afieldfile/2015/12/25/1365622_3_1.pdf
 
余談ですが、学部人口が少なく、限定された資格・専門性をもつ学生は景気に左右されにくく内定率は高いことが多いですが、一部薬学部などでは入学者の増加などにより学部人口がかなり多くなってきており、必ずしも就職率が高い学部とは言えなくなってきているのが現状です。
 
これらの学部は例外として、理系は圧倒的に内定率が高い、文系は圧倒的に低い、ということはありません。
 

 文系学生の強みとは

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