• 2016.03.1704:00
  • 企業/業界研究

【社会貢献に興味のある学生必見!】いま注目の“独立行政法人”とは?

「独立行政法人」
政府の事業のうち、大学・博物館・病院・研究機関など、政府とは分けて運営した方が効率的な部門を独立させた法人組織。行政の一端を担いながら、国民の生活の安定や社会経済の発展に役立つ業務をしています。
 
近年、就職先として注目度が高まっており……
“人の役にたちたい”
“社会に貢献したい”
といった志向が近年の様々な時代背景から強まっているとも言われますが、利益を追求する一般企業とは少し異なる立ち位置にあり、人や国、世界に貢献できる「独立行政法人」を志望する人が増えているようです。
 
ところで、一口に「独立行政法人」と言ってもどんな事業があるのか知っていますか? 今回は、就活生に人気の事業を紹介したいと思います。
 

 途上国の“国づくり”を支える

独立行政法人 国際協力機構(JICA)

http://www.jica.go.jp/
 
開発途上国の社会や経済の自立と発展を目指し、彼らの“国づくり”を支援する団体、それが「国際協力機構(JICA)」。途上国が直面する貧困や紛争、環境破壊、エイズなど様々な課題に挑んでいます。
 
≪歴史≫
政府開発援助(ODA)の実施機関のひとつとして1974年に前身「旧国際協力事業団」が設立。2003年には独立行政法人国際協力機構へと改組されました。
 
≪事業内容≫
開発途上国の自立的な国づくりを支援するための、技術協力(人材育成、制度づくり等ソフト面の支援)、有償資金協力(大規模インフラ整備等への融資)、無償資金協力(社会・生活のインフラ整備支援)。
その他、青年海外協力隊や国際緊急援助隊の派遣、企業やNGOとの連携事業、援助戦略等の研究、市民参加協力事業など、多岐に渡ります。
 
≪魅力・やりがい≫
長期的な視点から“国づくり”というダイナミックな仕事ができること。また、途上国の人々の生活に貢献し、感謝されることが何よりのやりがいでしょう。もちろん、プロジェクトの課題解決のために数々の難関に立ち向かわなければなりませんし、知識はもとより体力もかなり求められるかと思います。メンタル・フィジカル共に健康であり、世界平和のために貢献したいという強い意思と信念、そして情熱が必要です。
JICAでは、新卒でもすぐに途上国支援に関わることができるのも魅力。入構後すぐに規模の大きいプロジェクトに携われることもある。
 

 ミッションは“人が輝く”街づくり

独立行政法人 都市再生機構(UR)

http://www.ur-net.go.jp/
 
都市再生を担う国の政策実施機関のひとつ。市街地の整備改善や賃貸住宅の安定的な確保など、人々が快適に暮らせる居住環境づくりをしています。
 
≪歴史≫
高度経済成長期(1950年)、都市圏への急速な人口流入に対応するため、中堅労働者向けの共同住宅を大量供給することを役割として、前身である「日本住宅公団」が設立。2004年7月、人が輝く都市をめざす「独立行政法人 都市再生機構(UR)」として生まれ変わりました。
 
≪事業内容≫
1)都市再生
都市再生のプロデューサーとして構想企画、諸条件整備等のコーディネート業務やパートナーとしての事業参画を通じ、民間による都市再生を推進。
地方公共団体等との連携も行う。
 
2)住環境
旧都市基盤整備公団から受け継いだ約76万戸の賃貸住宅について、居住者の居住の安定を図りつつ適正な管理を実施。
バリアフリー化、間取り改善、社会状況に応じた設備水準の向上を目的としたリニューアル住宅の供給、屋外環境の整備、建替事業等、団地の総合的な再生・活用の実施。
 
3)災害復興
災害等の被災地の復興事業や都市の防災機能の強化、支援。
 
4)郊外環境
少子高齢化への対応、環境共生、安全・安心のまちづくりをテーマに地域の特性を活かした、魅力ある郊外や地方居住の実現を図る。
 
≪魅力・やりがい≫
団地や住宅というヒューマンスケールなところから、都市開発などの大きな事業にまで幅広く携われることが何よりの魅力。自分が関わったものが“カタチ”となり、色々な人の役に立ち、社会に影響を与えられる仕事なのでやりがいと共に大きな責任を背負います。街によって抱えている課題も違えば、強みも違うもの。既成概念にとらわれない柔軟な発想力や、大胆な行動力が求められるでしょう。
自分の手がけた街で、人々が散歩する姿や、公園で子ども達が駆け回っている姿が見られるのも、この仕事の醍醐味ですよ。
 

 宇宙航空技術で“豊かな社会”の実現へ

国立研究開発法人 宇宙航空研究開発機構(JAXA)

http://www.jaxa.jp/
 
2015年3月をもって「独立行政法人 宇宙航空研究開発機構」から「国立研究開発法人 宇宙航空研究開発機構」に名称を変更しました。これは「独立行政法人通則法の一部を改正する法律」の施行にともなうもので、現行の独立行政法人が、業務の特性に応じて「中期目標管理法人」「国立研究開発法人」「行政執行法人」の3つに区分されたからです。
 
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≪歴史≫
前述したとおり「宇宙航空研究開発機構(JAXA)」は、独立行政法人から国立研究開発法人へ名称を変更。元々は2003年10月、日本の航空宇宙3機関、文部科学省宇宙科学研究所 (ISAS)・独立行政法人航空宇宙技術研究所 (NAL)・特殊法人宇宙開発事業団 (NASDA) が統合され、今のかたちとなりました。
 

≪事業内容≫
1)宇宙業界
未知なる技術の研究開発(関連民生機器の製造・サービス、ユーザ産業へのサービス提供、宇宙利用サービスを享受するために必要な機器の製造、人工衛星やロケットなど宇宙機器の製造)
 
2)航空業界
更なる進化のための研究開発(環境にやさしいエンジンや極超音速機などの開発・研究など、日本の航空業界の進化に貢献するもの)
 
≪魅力・やりがい≫
宇宙・航空は、果てしない夢と希望が詰まったフィールド。JAXAでの仕事は、チャレンジの連続となるでしょう。求められるのは、ズバリ「チャレンジ精神」。困難なものにも立ち向かい、諦めずに挑戦し続けることで結果を生み出すことができる舞台です。自分が携わったプロジェクトが日本のため、世界のため、人類のためとなる仕事なので、大変な面も多い分、やりがいも十分に実感できるでしょう。
2015年3月に新体制になったばかりのJAXA。今まで以上に各研究機関との連携が密になったとのこと。組織もフラットになり、個人のアイデアが取り入れられるチャンスもあるようですよ。
 

 医薬品・医療機器に対する人々の“不安”を“安心”に

独立行政法人 医療品医療機器総合機構(PMDA)

http://www.pmda.go.jp/index.html
 
医薬品の副作用や生物由来製品を介した感染等による健康被害の救済、医薬品や医療機器などの品質、有効性および安全性を審査しているのが「独立行政法人 医療品医療機器総合機構(PMDA)」。みなさんが安心して市販薬の使用、病院での治療を受けられるように情報収集、分析、提供を行っています。
 
≪歴史≫
2001年に閣議決定された特殊法人等整理合理化計画を受けて、「国立医薬品食品衛生研究所医薬品医療機器審査センター」「医薬品副作用被害救済・研究振興調査機構」及び「財団法人医療機器センター」の一部の業務を統合。独立行政法人医薬品医療機器総合機構法に基づいて2004年4月1日に設立され、業務を開始しました。
 
≪事業内容≫
1)健康被害救済
●医薬品副作用被害救済に関する業務
●生物由来製品感染等被害救済に関する業務
●スモン患者への健康管理手当などの受託・貸付業務
●HIV感染者、エイズ発症者に対する健康管理費用などの受託給付業務
●「特定フィブリノゲン製剤及び特定血液凝固第Ⅸ因子製剤によるC型肝炎感染被害者を救済するための給付金の支給に関する特別処置法」に基づく給付金の支給等業務
 
2)審査
●治験などに関する相談業務
●医薬品、医療機器、再生医療等製品などの承認審査業務
●再審査・再評価業務
●承認申請資料などの内容に関する信頼性調査業務
●製造所に対するGMP/QMS/GCTP等の調査業務
●登録認証機関に対する調査業務等
●日本薬局方などの基準作成調査業務
 

3)安全対策
●添付文書等記載事項の届出の受付業務
●製造販売業者または医療機関からの副作用などに関する情報収集・整理業務
●科学的分析などを通じた安全対策に資する調査・分析業務
●製造販売業者からの安全対策に関する相談業務
●一般の方などからの相談への対応
●医薬品、医療機器、再生医療等製品に関する情報提供業務
 

≪魅力・やりがい≫
PMDAは、医薬品などの「健康被害救済」「承認審査」「安全対策」の3つの役割を一体として行う世界で唯一の公的機関。より安全でより品質の良い製品をより早く医療現場に届け、日本の医療の発展に大きく貢献しています。
命を守る仕事、と言えば多くの人が医療現場を思い浮かべると思いますが、これもまた一つの“命を守る”仕事です。PMDAなくして、日本の医療の進歩は難しいでしょう。
日本はもちろん、世界の医薬品・医療機器にも貢献できる仕事です。直接的に感謝の言葉をもらう、役に立っている実感を得る、ということは少ないですが貢献度は世界レベル。国民の命を守り、医療の進歩に役立っている、という誇りをもって働くことができるでしょう。
技術専門職だけではなく総合職の募集もあり、医学部・薬学部出身ではなくても、医療に携わることのできる職場です。
 

 まとめ

今回は特に人気の高い4社をピックアップしましたが、日本には98の独立法人があります(2015年4月1日現在)。いずれも、国、世界、人々に貢献する機会が多いものばかり。
 
どんな分野で、どんな風に働きたいか――
また、「人々の役に立ちたい」という想いとは別に、明確なビジネスビジョンを持って志望動機を考えると良いでしょう。そのためには、一法人ごとにしっかり研究していくことが不可欠。深く掘り下げて、志望する団体で自分がどのように力を発揮し、「人々の役に立てるのか」を考えておく必要がありそうです。
この記事をきっかけに、独立行政法人に興味を持ったならば、ぜひ更なる研究と理解を深めていってくださいね。

 
 

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