• 2016.02.0411:30
  • 企業/業界研究

【大学生必見】これだけ読めばわかる! 不動産業界のカラクリ

不動産業というと、街の不動産屋さんが頭に浮かぶ人も多いのでは? 家さがしをする時にも、まずお世話になる所ですから、私たちの生活になくてはならない業種の一つです。業界として考えた時に、不動産業界はどのような構造をしているのでしょうか、不動産業界に関して業界研究をしてみましょう。

 

 不動産業界を形成している4つの業種

不動産業界の売上高は、およそ37兆7千億円(平成25年度)です。年々増加しており、平成25年度の前年比売上高は15.4%増となっています。経常利益率も営業利益率も9%台を誇る利益率の高い業界です。
不動産業界には、大きく分けて4つの業種があります。不動産開発事業(デベロッパー)、不動産仲介事業、不動産管理事業、不動産投資事業です。

 
■不動産開発事業(デベロッパー)
土地を取得して、マンションなどの住宅、オフィスビルや商業施設の開発をはじめ、街づくり、都市開発を伴う大規模開発事業も行います。
借りる、または買い上げをして土地を取得します。土地の種類や規模に応じて、開発事業を企画します。その間、土地をどのように開発できるのかを調査する必要があります。都市計画法では、土地利用に関する分類がされ、住宅が建てられる、商業利用ができるといった用途指定が決められています。また、建物を建てる際には、建蔽率や容積率が場所ごとに設定されており、制限があります。制限の範囲内で、何をどのように開発すればどのくらいの収益が上がるのかという収益性を考慮しながら、開発を企画、設計しなくてはなりません。
その上、土地汚染対策法が制定されており、「土地の過去」を調べて土地汚染があるようなら開発にかかる前に対策を行う必要もあります。

 
■不動産仲介事業
不動産の仲介には、「売買仲介」と「賃貸仲介」があります。売る側と買う側の間に立って、それぞれのニーズをすり合わせコーディネートするのが「売買仲介」。賃貸住宅や商業施設のテナントを入居希望者に紹介するのが「賃貸仲介」です。仲介業者は、不動産業界の中で最も数が多い業種で、一般消費者にとっても最も馴染みが深い業者でしょう。
不動産仲介業者が扱う不動産は多岐にわたっています。戸建て住宅、マンション、アパート、アウトレットモールやオフィスビルといった巨大商業施設、ホテル、工業施設、テーマパークや遊園地を扱う業者もいます。規模の点でも、種類の点でも多様です。仲介業者の多くは、専門性を持っています。ディベロッパー系列で自社商品を専門に扱う企業、鉄道会社系列で沿線の商品を専門に扱う企業、売買仲介のみ、賃貸仲介のみといった形です。

 
仲介業者は、売買にせよ賃貸にせよ、売りまたは貸しに出ている状態の不動産に関する情報を確保しなくてはなりません。借りる、または買う側は、それぞれにいろいろな条件を付けて物件を探しています。職場や学校に近い場所、価格、広さといった条件です。探している側が持っている条件にあまりにもかけ離れた物件ばかりでは、当然成約しなくなってしまいます。賃貸物件を探したことがあるなら、何件もの不動産屋さんに足を運び、自分の条件に合いそうな物件を見て回った覚えがあるかもしれません。条件は、人それぞれ違うので、仲介業者は、色々な条件の物件情報を確保する必要があります。そのためには、不動産所有者である提供者との関係を築いておく必要もあります。借り手や買い手が企業になる場合もあれば、提供者が企業のこともあります。個人所有のアパートを貸す仲介をすることもあるかもしれません。仲介業者の顧客は、双方向で千差万別です。仲介業者も、大規模開発ディベロッパーの傘下にあり、開発物件を専門に扱う業者もあれば、駅前にあって地域に根差した仲介活動を代々行っている不動産屋さんもいて、やはり千差万別なのです。

 
■不動産管理事業
管理事業は、賃貸住宅の管理を行う「賃貸管理業務」と、建物の所有者であるビルのオーナーやマンションの管理組合等から委託を受けて管理業務を行う「建物管理業務」の2つに分けられます。
共有部分の清掃や保守といった建物や設備の管理、点検業務はどちらにも共通。賃貸の場合には、入居者の募集や賃料の回収といった業務があります。また、居住者間の問題が生じた時のクレーム処理も業務の一つ。所有者である大家さんからクレームがある場合もあるでしょう。

 
■不動産投資事業
投資家から集めた資金を不動産に投資し、得られた賃料や売却益といった運用益を投資家に配当する事業。不動産の金融商品といえます。デベロッパーが主体となって、開発事業の資金を投資で集め、金融業からの借り入れをせず、集めた資金で開発を進めるといったことも可能になります。

 

 不動産業界を形成する各事業体の関係

不動産業界には大別して4つの事業があるといいましたが、複数の事業を複合的に行っている企業もあります。一方で、地域に密着して賃貸専門に不動産仲介業を営んでいる事業所もあります。

 
■不動産業のメジャープレイヤー:デベロッパー
デベロッパーは、不動産業界のメジャープレイヤーといっても過言ではありません。業界シェアトップクラスの企業は、デベロッパーとして大規模開発を行っている企業です。そういった大企業の多くは、開発物件を売買または賃貸するための仲介業務を傘下の会社で行っています。三菱地所傘下は「三菱地所リアルエステートサービス」、住友不動産傘下は「住友不動産販売」、東急不動産傘下は「東急リバブル」といった形です。管理業務に関しても、自社もしくは傘下の会社で行う場合があります。三井不動産傘下は「三井不動産レジデンシャル」、三菱地所傘下は「三菱地所コミュニティ」といったかたちです。東急不動産傘下の「東急リアル・エステート・インベストメント」のように、投資信託商品を販売、運用するために投資信託会社を傘下に持っていることもあります。
この観点から言うと、デベロッパーは、不動産業のすべての業態を行っているといえます。

 
■プロパティマネージメント
プロパティマネージメントは、不動産管理事業の発展したかたちです。従来の不動産管理業は、建物や付随施設の管理、運営、保守といった業務を行います。プロパティマネージメントは、投資資産としての不動産の管理業務です。通常の建物の保守、管理業務、トラブル時の対応や賃料の回収といった業務に加えて、投資対象としての価値を上げるという業務があります。場合によっては、業態を変える提案も含め、資産価値を高めるべくコンサルティング業務を行うことも。例を挙げると、アパート所有者に対して、空き室率を下げるために、ペット可に変えるといったようなターゲットを絞った改造を提案し、実行、運営管理のサポートを行うといったことです。
日本は少子高齢化社会に突入しています。それに合わせて、住居の形態も変わりつつあります。また、必要な施設にも変化があるのは当然のことです。学校が閉校する一方で、介護施設等への必要性はますます高まっていくことでしょう。住居に関しても、一戸建てから駅前立地のマンションへの住み替えを希望する高齢世帯が増えているといいます。そういった社会の変化に応じて新たな提案を行うことのできるコンサルティング業務へのニーズは今後も増えていくと思われます。

 
<参照元サイト>
http://www.retpc.jp/chosa/tokei
https://rnavi.ndl.go.jp/research_guide/entry/theme-honbun-102553.php
 

 
 

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