• 2016.12.2608:00
  • 自己分析

優秀な学生と社風に合う学生、採用担当者はどちらを選ぶ? 【解説付き】

企業の数だけ「社風」があります。不採用になったとき、学生側は「自分の何が足りなかったんだ……」などと凹みがちですが、採用担当者からすると「ウチの社風に合わないと判断したから」というケースも多いもの。
 
では、「学力や経験、スキル面にウリがある学生」と「普通だが社風に合いそうな学生」が“同点”だった場合、どちらが選ばれるのでしょうか? JOBRASS編集部では、採用担当者103名に聞いてみました。
 
【「学力や経験、スキル面にウリがある学生」と「普通だが社風に合いそうな学生」どちらか選ぶなら、どちらを選びますか?】
・学力や経験、スキル面にウリがある学生 19.4%
・普通だが社風に合いそうな学生 80.6%

 
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調査の結果、約8割の採用担当者が「普通だが社風に合いそうな学生」を選ぶと回答しました。では、それぞれの根拠を見てみましょう。
 

 「普通だが社風に合いそうな学生」を選ぶ根拠

 
■いくら優秀でも、社風に合わなければすぐ辞めるから
 
もっとも多かったのが、「社風に合わないと、すぐ辞める可能性が高い」という声。採用側としては、できるだけ長く続けて欲しいのです。
 
・いくら優秀でも社風に合わなければ、辞めてしまいそうだから(女性/その他/49歳)
・会社は組織だから。優秀でも職場に馴染めないと、すぐに辞められる可能性が高い(女性/その他/37歳)
 
■「会社は人間関係」。社内で人間関係を築けるか、協調性があるかどうかが大事だから
 
実は辞める理由として多いのが「人間関係」。社内で人間関係がうまくいかないと、仕事もうまくいかないのでは……という懸念から、採用時点で、「この人なら社内でやっていけそうだな」というタイプを選ぶという意見です。
 
・いくら優秀でも人間関係に問題があると仕事に支障が出そうだから(女性/その他/33歳)
・いくら優秀でも社風に合わなければ孤立して本人もだめになり社内も乱れるから(男性/会社経営・役員/49歳)
 
■能力は、会社に入ってから育てれば良いから
 
仕事は入社後に覚えれば良いが、協調性などはあとから育てにくいという意見も多くみられました。
 
・育てたい(男性/コンピュータ関連技術職/39歳)
・仕事は覚えることができるが、資質は変えることが難しいため、そちらを尊重する(女性/その他/41歳)
・仕事は教えればできるので、まずは社風に合いそうな人がいいと思う(女性/総務・人事・事務/38歳)
 
■社風に合っている人のほうが「伸びしろ」があるから
 
社風に合えば、働くのが楽しくなり、仕事の伸びしろもあるのではという期待です。
 
・社風に合うほうが伸びる可能性があると思うから(男性/営業・販売/46歳)
・素直に吸収してくれそうなので(男性/営業・販売/31歳)
・普通でも社風が合っていれば、長続きするし、伸びると思うから(女性/その他/49歳)
 
■その経験やスキルが、入社後にも通用するとは限らないから
 
学力やスキルが、実務で通用するかは別問題。
 
・優秀といっても勉強面であって、会社の仕事に合うかは見てみないとわからない(男性/その他/45歳)
・優秀な能力を持っていても、発揮できる環境でないと意味がないため(男性/営業・販売/42歳)
 
■「優秀」な学生はもてあますから
 
企業によっては、「ウチじゃなくても」という場合もあるようです。
 
・優秀な学生なら、他社で合格をもらえると思うので(女性/その他/47歳)
・有能すぎると、もてあます事もあるため。優秀な人材は欲しいが、社風に合わないと、長続きしない事が多い(女性/その他/36歳)
 

 「学力や経験、スキル面にウリがある学生」を選ぶ根拠

 
■社風には染まっていくものだし、あとから合わせれればよいから
 
なかには「本当に“優秀”で働きたいなら、社風にもあわせられるから」(男性/コンピュータ関連以外の技術職/43歳)という声も。
 
・社風には後から合わせればいい(男性/その他/44歳)
・社風は会社にいれば染まるから(男性/コンピュータ関連以外の技術職/37歳)
・馴染むかどうかはこれからだから(女性/その他/40歳)
 
■社風に合いそうというだけで選んで、仕事ができるとは限らないから
 
辞めてしまうかどうかは考えず、まずは仕事ができる人のほうがいいという考え方もあります。
 
・社風に合いそうという理由だけで、仕事ができるとは言い難いから(女性/総務・人事・事務/34歳)
・実務に役立つ人材の方がいいから(男性/会社経営・役員/41歳)
・将来的に会社に役に立つと考えられるから(男性/医師/48歳)
 
■社風にこだわらず、いろいろなタイプがいたほうがいいから
 
そもそも「社風」にこだわらないという採用担当者もいました。
 
・会社の社風は変えていくべき(男性/コンピュータ関連以外の技術職/36歳)
・会社は色々な人材がいた方がいい(男性/金融関係/48歳)
・社風にとらわれていると成長できないから。優秀な学生の方がいい(男性/研究・開発/33歳)
 
 
ある採用担当者は、
 
「内定をもらえるということは“その会社で通用しそうな能力が高く、社風に合いそう”と判断されたということ。“同点”の場合は、能力をとるか、社風に合いそうかどうかをとるかは確かに悩ましい問題ですが、絶対的に言えるのは、大事なのは“伸びしろを感じさせるかどうか”ということ。社風に合うだけで、なかよしこよしでずっといられても仕方ありませんから」
 
と話してくれました。でも就活生にとっては、いつどの時点で、自分が誰かと「同点」になっているかわからないですよね。どんなときも“前向き・柔軟な姿勢”をアピールするのが良さそうです。
 
 
【調査概要】
方法:JOBRASS就活ニュース調べ(インターネット調査)
調査期間:2016年11月11日~2016年11月21日
対象:企業の採用担当者 計103名

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