• 2016.01.2004:00
  • 企業/業界研究

ネットフリックス、Hulu、dtv―― 動画配信サービスを通して就活生が考えておきたい3つの視点

「スター・ウォーズ/フォースの覚醒」
―2015年12月18日に日本で公開された、興行収入60億円を突破しているシリーズ7作目の話題作です。
突然ですが、皆さんはこれほどまでに話題になっているスターウォーズの過去6作を見たい! と思ったとき、どうしますか?
テレビで放送されるのを待つのか、ケーブルテレビ(有料放送)を見るのか、DVDやブルーレイをレンタルするか……
様々な方法がありますが、こういう経験をしたことがある人もいるのではないでしょうか。
 
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インターネット上で「スターウォーズ 過去」と検索。
        ▼
検索結果をクリックすると有料の動画サイトに
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「レンタルするより安くて楽だなあ、他にも面白そうな作品があるし……」
        ▼
        登録
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いまではテレビだけではなくタブレットでも楽しんでいる――
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このように、ある作品を観たいと考えたときにこうした動画配信サービスを利用する人が増えているのです。さらに2015年9月、アメリカの全世帯の約4分の1が利用している世界最大級の動画配信サービスであるネットフリックスが日本でサービスを開始し、大きな話題となっています。
 
動画配信サービス市場は日本でも今後拡大していくと考えられており、現時点でもテレビ局・TVメーカー、携帯会社を巻き込んでいます。今回はそんな動画配信サービスをご紹介します。まだまだ新規ビジネスのためキャリア採用が多く、新卒採用をしている会社は少ないのですが、テレビ、映画などコンテンツ業界に興味のある学生も知っておくとよいでしょう。
 

 動画配信サービスの仕組み

まずは、これまでの主な作品の視聴方法を振り返ってみましょう。
・テレビ……番組プログラムをもとに、放送開始時間にテレビをつけ、視聴する。CMなどが挟まれるが無料でみることができる。
・映画館での映画視聴……映画館の上映スケジュールをもとに、映画館へ出向きチケットを購入し鑑賞する。
 
このように映像コンテンツは決められた時間に見るということが主流でした。しかし利用者の多様なライフスタイルを背景に、決まった時間以外のコンテンツの視聴を求められるようになりました。そこで広がったのが作品レンタルや、HDDなど録画機能を持つ製品です。こうして人々は「いつでも(時間)」見られる状態を手に入れましたが、インターネットやスマートフォン、タブレットの利用者が増加すると、「どこでも(場所)」「どれでも(デバイス)」を求めるようになってきました。
 
そこで拡大したサービスこそが「動画配信サービス」ともいえるでしょう。
「いつでも、どこでも、どれでも、好きなモノを」というニーズをより抽出したのが、このサービスです。動画配信サービスは、作品一本あたりに料金が発生するTVOD(都度課金制)と月額定額料金が発生するSVOD(定額制)があり、現在はSVODが一般的となっています。主にスポンサーからの広告料金により、無料で視聴できるテレビ放送と異なり、動画配信サービスはこの視聴料金がコンテンツを生み出す資源となっています。
 

 主な国内定額制動画配信サービス

 
・NETFLIX
運営会社:米ネットフリックス
オリジナルコンテンツ:ハウス・オブ・カード 野望の階段(エミー賞)、テラスハウス、アンダーウェア、火花など
解説:ソフトバンクと業務提携、フジテレビが番組制作に協力している。またネットユーザーのみならず、TVリモコンにネットフリックスのボタンを付けるといったTV中心のユーザーにも対応するなどTVメーカーも巻き込んで展開している。
サイト:https://www.netflix.com/jp/
 
・Hulu
運営会社:HJホールディングス(※日本テレビ放送網子会社)
オリジナルコンテンツ:THE LAST COP/ラストコップ、フジコなど
解説:「笑ってはいけないシリーズ」など日本テレビコンテンツの配信のみならず、各局(NHK・テレビ朝日・フジテレビ・TBS・WOWOWなど)コンテンツの配信を行っている。
登録者:100万人超(2015年3月)
サイト:http://www.hulu.jp/
 
・dTV
運営会社:NTTドコモ、エイベックス・グループホールディングス
オリジナルコンテンツ:進撃の巨人 ATTACK ON TITAN 反撃の狼煙、「AAA」「三代目J Soul Brothers」など音楽ライブ配信。
解説:ドコモが提供するdアカウントで利用が可能。2009年に開設されたエイベックス・デジタルとNTTドコモの合弁会社、エイベックス通信放送が運営する動画配信サイト「BeeTV」のオリジナルコンテンツも閲覧することができる。
登録者:約480万人(2015年9月末)
サイト:http://pc.video.dmkt-sp.jp/
 

 テレビ局の動き

テレビ局各局は、動画配信サービスに対して番組制作などに協力しながらも、メイン事業である「テレビ放送」への対策として見逃し配信サービスを強化する動きを見せています。
2015年10月に在京キー局5社が共同で展開するスマートフォン向けアプリ「Tver」を開始しました。これはテレビ放送終了後の番組をCMも含めて、1週間無料で配信するサービスで、開始3週間で100万ダウンロードを超えました。
テレビ離れが叫ばれるなか、まずは、一人でも多くの利用者に、テレビ「で」見るのではなく、テレビ(のコンテンツ)「を」見てもらう動きを進めているということができるでしょう。
 

 動画配信サービスを通して考えておきたい3つの視点

就職活動をするみなさん(特に映画・テレビなどコンテンツ業界希望の学生)に動画配信サービスを通じて考えてもらいたい視点は以下の通りです。
 

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