• 2017.06.1508:00
  • 企業/業界研究

【多様な働き方時代】時短制度のメリットとデメリット 社会人100名が赤裸々告白

「働き方」の見直しがすすんでいます。在宅勤務制度を取り入れる企業が増えていますが、時短制度を設けている企業も。でも、制度だけあっても、実際に利用できていなかったら意味がありませんよね。
 
そこで今回JOBRASS編集部では、20代~30代の若手社会人101名に、いまの職場で、時短で働ける制度があるかどうかをアンケート。「ある」と答えた人には、どのような使われ方をしているのかなど、その実態についても教えてもらいました。
 
【いまの職場では、時短で働ける制度はありますか?】
・ある 42.0%
・ない 58.0%

 

 
「ある」という回答は全体の約4割でした。では、その実態は?
 

 産休、育休復帰として利用

 
もっとも多かったのは、妊娠した女性や産休・育休後の人が取得するケースです。利用した人からは「安心できた」(女性/公務員/34歳)という声が聞かれました。
 
・妊娠した女性が主にとっている(女性/その他/31歳)
・産休からの復帰として使われている(女性/総務・人事・事務/26歳)
・育休後の女性が多め(男性/営業・販売/27歳)
 

 子育て中の人が利用

 
産休・育休後もそうですが、とりわけ子供が小さいうちは時短制度が大活躍。男性からも女性からも、保育園の送り迎えのときに利用しているという回答がありました。
 
・子供が2歳になるまで時短が許されていたかと思います(女性/その他/26歳)
・子育て中の女性が多く活用しています(男性/総務・人事・事務/27歳)
・子供の保育園・幼稚園に迎えに行くときなどを主として常用している(男性/金融関係/31歳)
 
その他「それぞれのその時の事情を考えてくれ、半日勤務などにしてくれる」(女性/その他/27歳)などという声が寄せられた一方で、「制度はあるが、活用されていない」という声もチラホラ。
 
「休むと仕事を回す人数が足りなくなるので、実質難しいと思います」(女性/その他/29歳)
「ほとんどいない。周りに気を使うので、結婚・出産を機に辞める人が多い」(女性/その他/31歳)
「使っている人は見たことないくらい、活用されていないと思う」(女性/総務・人事・事務/26歳)
 
等々です。ただし興味深かったのは、
 
「私が勤務している職場は、事前に上司に相談していれば、割と融通のきく職場です」(男性/その他/23歳)
「利用している人はいるが、上司の考え方で利用出来るかが決まっているように思える」(女性/金融関係/30歳)
 
という2つの意見。上司の采配によって、時短制度の利用しやすさも変わってくるようですね。では、時短制度を利用するメリットとは何でしょうか? また、デメリットはあるのでしょうか?
 

 いまの職場での制度の有無にかかわらず、時短で働くことによる(想定される)メリット・デメリットを教えてください

 
まずはメリットから。
 
■ワークライフバランスをとりやすい
 
自由な時間をもつことができるため、家庭との両立がしやすいという声は多く見られます。
 
・効率よく働けて自分の生活スタイルと両立できる(女性/その他/29歳)
・メリットはワークライフバランスが取りやすい(男性/コンピュータ関連以外の技術職/31歳)
・メリットは、例えば育児で大変なときに子供を預けている時間のみ働くことができて、家庭と仕事の両立がしやすくなる(女性/その他/30歳)
 
■体を休めることができる
 
単純に、働く時間を限定することで、体を休めることができるというもの。病院に行けるなど、体のメンテナンスにあてる時間をとりやすくなるといった声もありました。
 
・疲れがとれること(男性/総務・人事・事務/26歳)
・病院にいくことができる(男性/総務・人事・事務/29歳)
・身体を休められる(女性/その他/22歳)
 
■集中して仕事ができる
 
休むことで気分転換ができ、仕事にも新たな気分で取り組めるという声や、時間が限定されているため、集中して仕事ができそうという意見があるようです。
 
・集中して仕事に取り組める(男性/営業・販売/33歳)
 
では、デメリットは?
 
■周囲への気遣いをしなくてはいけない、他の人にシワ寄せがある
 
もっとも多かったのは、「周囲の目が気になる」というものでした。これは、「周りへの配慮が大変。周りのサポートも大変」(女性/その他/28歳)という声にあるように、「代わりにだれか働かなければならない」(女性/営業・販売/27歳)ということを理解しているゆえ、といえそう。
 
その他、「連携する仕事の時にいないとうまく連携できない。会議の時間などを考えなければならない」(女性/総務・人事・事務/28歳)、「居てほしいときにその社員がいなくて困ることがある」(男性/総務・人事・事務/25歳)というように、自分の都合で会議などの時間を考慮してもらわなくてはならなくなることや、自分がいないときにも仕事がまわるようにしておかなくてはいけないという配慮も必要……という事情もあるようです。
 
・同僚からの目が気になる(女性/その他/27歳)
・周りの目が痛い(女性/その他/22歳)
・代わりにだれか働かなければならない(女性/公務員/34歳)
・周囲に多少の負荷は必ずかかる点はデメリットである(女性/金融関係/25歳)
 
■給料が減る
 
働く時間が短くなったため、どうしてもその分の給料は減ってしまうのが難点……というツラさを指摘する人もいました。
 
・給料が減る(男性/その他/26歳)
・給与が下がる(男性/営業・販売/27歳)
 
■評価されにくい
 
「重要な仕事を任されにくく、結果として評価されにくい」という声も散見されました。
 
・評価されにくい(男性/コンピュータ関連技術職/27歳)
・結局重要な仕事がなくなり、昇進や昇給が遅くなる(男性/コンピュータ関連技術職/30歳)
・突発的な残業や出勤等ができないため、重要な仕事を任されにくい(女性/その他/30歳)
 
■同僚とのコミュニケーションが減る
 
「仕事に集中するあまり、他の社員とのコミュニケーションが少なくなる。飲みにも誘われなくなる」(女性/その他/32歳)など、プライベートが充実し、勤務時間内は仕事に集中できるのはいいが、コミュニケーションが減ったという人も。
 
・他の同僚とのコミュニケーションが少なくなる(女性/総務・人事・事務/26歳)
 
その他、「子供が小さい人のみの制度なので、もっと広げて誰でも使える制度にしてほしい」(男性/総務・人事・事務/31歳)、「制度はあるが、子供がいる人や介護をしている人限定。体調が悪いときなどにも対象を広げて欲しい」(女性/研究・開発/28歳)というホンネも寄せられました。
 
就職してから「こんなはずでは……」というギャップをなるべく少なくするためにも、企業を調べるときには、働き方についての制度を調べるだけでなく、その“実態”にも目を向けたほうが良いでしょう。
 
 
【調査概要】
方法:JOBRASS就活ニュース調べ(インターネット調査)
調査期間:2017年4月14日~2017年4月19日
対象:社会人1~2年目の男女 計101名

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