OB・OG訪問のやり方を探している学生の方の多くは、OB・OG訪問に行けば内定に近づく一番の近道だと思っているかもしれませんが、本当にそうなのでしょうか? 確かに、OB・OG訪問を行うことで内定を簡単に獲得できた学生がいるのは事実ですから、そういった側面があるのも確かです。
しかし、OB・OG訪問を行うことには、別の意義もあります。今回はOB・OG訪問を行う際のポイントなどをご紹介して行きます。
まずは、OB・OG訪問が本当に役に立つのか、そのあたりの事実について確認していきましょう。
そもそもOB・OG訪問とは、大学の先輩などに会い、会社での働き方や求められている資質、仕事のやりがいなどを聞きに行くためのものですが、一番気になるのはOB・OG訪問に行った結果、内定が取れるのかということではないでしょうか?
結論から言うと、OB・OG訪問に行ったからと行って、必ず内定につながるとは限りません。OB・OG訪問は、「内定の確約につながる行動」ではないと言っていいでしょう。
就職活動が情報戦だと言われて久しいですが、もしOB・OG訪問を行うことで内定につながるのであれば、とっくに多くの学生がやっているはずです。
OB・OG訪問の目的は、企業研究が大きなウェイトを占めています。自分の興味ある分野、業界に関わる先輩が、どのような仕事をしているのかを知るためのきっかけにすぎません。もちろん、その企業に入社したいという希望が強いのであれば、入社意思を先輩社員に伝えることで、人事の担当者にそのことが伝わる可能性があるとは思います。
しかし、OB・OG訪問の一番のメリットは、志望動機として使える情報が増えることでしょう。そのため、OB・OG訪問はあくまで企業研究の延長に過ぎないということを覚えておきましょう。
それでも、OB・OG訪問をおすすめするにはそれなりの理由があります。先ほどもお伝えしましたが、OB・OG訪問をすることで、もっとも悩む志望動機を考える上で非常に参考になる点です。
OB・OG訪問をいつ行えば良いかについては、「OB訪問(OG訪問)の最適な時期は2月から3月|ピークの時期と理想的な時期がある理由とは? 」をご参照ください。
次に、実際にOB・OG訪問のやり方や、進める際の手順について確認していきましょう。
OB・OG訪問をする際、誰にOB・OG訪問をお願いすればいいのはあまり悩まないかと思いますが、どのように先輩OB・OGの連絡先を得れば良いのかは悩みどころかと思います。一番簡単なのは、大学のキャリアセンターに行って、卒業生の就職先を聞くのが手っ取り早いかと思います。
参考:どうやってOB・OGを探したかを調査!志望企業の近くでバイトという猛者も…
ただ、もしキャリアセンターに先輩社員の連絡先がない場合は自分で当たってみるしかありません。その場合、探し方は多少難しくなりますが、最悪自分の大学の先輩である必要もないかと思います。
参考:OB・OG訪問時のメールの書き方とコピペで使えるテンプレート【アポイント編】
OB・OG訪問を行う時、まずはメールか電話で企業に連絡をとり、OB・OG訪問を担当してくれそうな社員にアポイントを取ることから始まります。方法としてはメールでアポイントを取る場合と、直接電話でアポイントを取る場合の2通りがあります。
メールでアポイントを取る場合は、まず誰にメールを送るのかが問題になります。もし先輩の個人アドレスを入手できているのであれば直接送信すれば完了ですが、もしわからない場合は、企業の公式ホームページやお問い合わせフォームかOB・OG訪問をしたい旨を送るのが良いでしょう。
その時送る文面は下記のような内容になります。
件名:【OB訪問のお願い】○○大学の○○○○です
株式会社○○○○
○○部 △△課
○○ ○○様
突然のご連絡を差し上げまして、
大変恐れ入ります。
私、○○大学の○○○○と申します。
大学のキャリアセンター名簿で○○様のことを知り、
ご連絡させていただきました。
現在広告業界に魅力を感じており、
多くの実績を持つ貴社に非常に興味を持ちました。
その貴社にて活躍されているOB(OG)の○○様にお話を伺いたく、
本日ご連絡をさせていただいた次第です。
こちらの都合で大変恐縮ではございますが、
下記日程でご都合よろしい日時はございますでしょうか。
- 月●●日(●)10:00〜15:00
- 月●●日(●)15:00〜20:00
- 月●●日(●)終日可能
ご多忙とは存じますが、
いずれの日程でもご都合つかない場合、
再度改めてご連絡させていただければと思います。
お忙しいところ重ね重ね大変恐縮ですが、
何卒よろしくお願い申し上げます。
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○○大学○○学部○○学科△年
- ● ●●
Tel:090-0000-0000
E-mail:xxxx@gmail.com
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メールよりも電話の方が一回で済む可能性も高く、すぐにアポイントが取れる傾向はあります。ただ、メールと違って話し方や対応には気をつけなければいけませんので、社会人と話す機会が少ない場合は、多少の注意が必要になります。
「○○大学の山田花子と申します。キャリアセンターの名簿で鈴木太郎さんを知り、お電話させて頂きました。現在、就職活動を控えており、企業研究にて御社に大変興味を持ちました。そしてぜひお話を聞かせていただきたいと考えました。お忙しいところ大変恐縮ですが、OB訪問のお時間いただくことはできますでしょうか? 」
突然のお電話で失礼致します。私、◯◯大学△△学部の□□と申します。
恐れ入りますが、◯◯部の△△様をお願いできますでしょうか。
大学の就職課のOB名簿に△△様のお名前を拝見し、本日は会社訪問の件でお電話いたしました。
担当者につながったら、次はOB・OG訪問を行う日程をいつにするかを詰めて行きましょう。基本的には忙しい相手側の予定に合わせることになりますが、こちらから予定を詰めていっても、場合によっては問題ないと言えます。
ただ、スタンスとしてはこちらが話を聞かせてもらう立場ですので、できれば相手の都合に合わせて行くのが良いのは間違いありません。
OB・OG訪問の日程が決まったら、実際に会いに行きます。この時注意すべきポイントをいくつかご紹介して行きます。
服装は相手が了承すれば私服でも構いませんが、アポイントを取った段階で名言をされない限りはスーツで行った方が無難です。私服でも構いませんが、その際は襟付きのシャツは必須で、清潔感のある格好をして行きましょう。
メールや電話でアポイントを取った場合は、おそらく相手がどこで会いましょうかという提案をしてくれるはずです。会社からそれほど遠い場所ではなく、会社の近くのカフェや喫茶店、ファミレスなどにあるケースが多いようです。
もし先輩社員がカフェなどで奢ってくれた場合は、必ずお礼を言いましょう。原則奢られることは考慮しないほうが良いとは思いますが、仮に奢ってくれなくても嫌な顔をしてはいけません。
OB・OG訪問が無事に終了したら、その場でメールアドレスを聞いておくことをおすすめします。のちのちお礼の連絡はしておく必要はありますので、できればというか、必ず聞いておくと良いでしょう。
電話でお礼をすることも悪いことではありませんが、昼間は別の仕事をしていて忙しいはずですから、メールでお礼の連絡をする方が、相手にとってもありがたいはずです。お礼のメール送る際の手順としては「OB・OG訪問時のメールの書き方とコピペで使えるテンプレート【お礼編】」をご覧いただければと思います。
服装や話し方のマナーについてはさほど気にしなくても良いかと思いますが、OB・OG訪問で聞く質問は考えて行った方が良いでしょう。下記ではいくつかの質問項目を優先度の高い順にご紹介していいます。
・今やっている仕事内容について
・試験に受かった時の話と現在の仕事(男性/公務員/29歳)
・どんな仕事をしているのか。職場の雰囲気を聞きに来た(女性/コンピュータ関連以外の技術職/29歳)
・自分がどういう仕事をしているかについて(男性/その他/25歳)
・自分の職場での役割について
・職場での自分の役割(男性/企画・マーケティング/32歳)
・職場の雰囲気について
・職場の雰囲気について(女性/その他/28歳)
・仕事の大変さ
・仕事の大変さ(男性/総務・人事・事務/25歳)
・勤務の難しさ(男性/その他/26歳)
参考:OB・OG訪問では、何を聞けばいい? 面倒臭がられない?
採用担当者でもない人に聞いても意味がないと思っているかもしれませんが、そんなことはありません。もしその企業に就職する可能性があるのであれば、そのOB・OGと一緒に仕事をする可能性が高いです、何を望んでいるのか、どういう学生が欲しいのか聞ければ、面接で言えることも増えてくるはずです。
その企業にはどう言った人が向いているのか、これは案外重要なポイントです。企業にも特色や色があるように、人にも合う合わないがあります。システム系の会社であれば、ひたむきに努力できる人の方が企業にとってもありがたいという面があります。
学生のほとんどは企業の仕事を知りません。こういうことをするのだろう、こんな仕事なのだろうという思い込みで会社に入ると、高確率で現実とのギャップを知ることになります。とくに花形職種ほどそういった傾向にあり、総じて「普段は地味な作業」であることが多いので、先に知っておくことでミスマッチを防げるでしょう。
生活をしていく上ではお金の問題は避けて通れません。仕事をしたくないとう社会人は8割以上いますが、子供との違いは嫌だからといってやめられない部分です。たとえ仕事がきつくても、それに見合うだけの見返りがあれば楽しむも増えるということは多いので、さらっと聞くのがポイントです。
もし退職される方が多いという噂があるのであれば、それはズバッと聞いてみましょう。OB・OG訪問で対応していただいた方に転職経験があるのであれば、前職と今の環境で何が良かったのかを聞いておくことで、面接時に職場環境についても言及することができるでしょう。
参考:周りと差をつけるOB・OG訪問で聞いておくべき質問とは
最後に、OB・OG訪問でやっておくと便利なことをご紹介していきます。
社会人の先輩がOB・OG訪問を経験したかはわかりませんが、必ず就活生時代があったはずですから、比較的あなたの立場も理解し、寛容に接してくれるということはあるでしょう。
しかし、社会人は暇ではありませんから、時間を作ってあなたに「会いたい」と思わせる必要はあるでしょう。そこで重要なポイントは、依頼する際のマナーです。
導入のアポイント時にいかに印象良くできるかは結構大事な部分ですから、ここだけは一番注力して取り込んでいただければと思います。
自分がどの職種に就職したいのかがはっきりしていれば、その職種についている先輩を選ぶのが鉄則です。例えば、営業職、マーケティング、事務、総合職などですね。
特に女性の場合、「総合職」の扱いについてはしっかり確認しておくことをおすすめします。就活中の女性に人気の高い「女性総合職」ですが、これは経理や事務を総合的に網羅する職ではありません。
男性と同等の働き方を望む女性がつく職種ですから、それほど働くことに対して積極的ではない場合は、一体どんな仕事内容なのかを、正確に把握しておく必要があるでしょう。
OB・OG訪問にもピーク時期と閑散期があります。もっともOB・OG訪問が激しくなる時期は4月〜5月と言われていますので、そのあたりの時期はできるだけ避けて、OB・OG訪問に応じてもらいやすい2月から3月あたりが狙い目です。
他にも、業界研究をするなら何月といった目安というか、おすすめの時期がありますので、「OB訪問(OG訪問)の最適な時期は2月から3月|ピークの時期と理想的な時期がある理由とは? 」を参考に、自分の好きな時期を狙っていただくのが良いかと思います。
いかがでしたでしょうか。OB・OG訪問のやり方についてご紹介してきましたが、これだけが全てではありません。他にもやりようはいくらでもありますので、今回の内容を一例にして、自分がもっともやりやすいOB・OG訪問をしていただければ幸いです。