• 2017.09.1208:00
  • 面接/筆記/ES対策

【採用担当者に聞く】選考中に学生が「自分の言葉で話していないな」と思う瞬間とは

就活のなかで、もっとも大事なステップといえる面接。多くの就活生が、直接自己アピールができる場である面接に臨むにあたって、万全を期すべく、聞かれそうな質問にはあらかじめ回答内容を用意しているようです。
 
その一方で、採用側からは「マニュアル学生が多い」という声もあるといいます。就活生からしてみれば、「そんなこと言ったって……」というところでしょうが、今回JOBRASS編集部では、採用担当者100名に、自分たち(企業側)の質問や面接方法が原因で、学生にマニュアル対応をさせてしまっていると感じたことがあるかどうかアンケート。
 
「ある」と答えた担当者には、学生のどのような言動をみたときに、どのように思うのかを聞いてみました。
 
【自分たち(企業側)の質問や面接方法が原因で、学生にマニュアル対応をさせてしまっていると感じたことはありますか?】
・あてはまる 16.0%
・まああてはまる 29.0%
・あまりあてはまらない 41.0%
・全くあてはまらない 14.0%

 

 
「あてはまる」「まああてはまる」の合計は45%。“マニュアル”学生が出現するのは、企業側にも原因の一つがあると考える採用担当者は、「質問のスタイルが既定概念過ぎて、マニュアル的になっている現状もある」(男性/営業・販売/47歳)、「同じような質問と答えしかしない。決まった質問とその答え。面接自体がマニュアルまんま」(女性/その他/48歳)という声を漏らします。
 
一方で「あまりあてはまらない」「全くあてはまらない」の合計は55%。「あてはまる」「まああてはまる」という担当者の割合(45%)をやや上回りますが、拮抗しているといえます。では、学生のどのような言動をみたときに、「マニュアルっぽい」と思うのかを見てみましょう。
 

 志望動機について

 
「何人かの受け答えが似ていたとき」(男性/コンピュータ関連技術職/32歳)など、似たような答えが続くと、「ああ、またこの学生もか……」という印象を抱く担当者は多数。なかでも“似たり寄ったり”になりがちなのは志望動機とのこと。
 
・志望動機が似たり寄ったり(男性/会社経営・役員/36歳)
・志望動機がマニュアルどおりの返答(女性/その他/36歳)
 
また、ほかの質問には考える間があったり、答えに窮したりする場面があるのに、志望動機だけは妙に滑らかに答えるところも、「マニュアルっぽい」印象を与えるようです。
 
・ここの会社に入りたい理由は?と聞いた時だけスラスラと答えられるようなところ(女性/その他/33歳)
・志望動機が“棒読み”(男性/営業・販売/48歳)
 
「もちろんその企業を志望する動機はあって然るべきですが、それが“御社の理念に共感し……”など、“上っ面”感が漂う表現だったり、明らかに暗記してきたままを言っているな、というものは、心が伝わってきません。面接官は、学生の内側から湧いて出てくるような言葉を待っているのです」(女性/総務・人事・事務/40歳)
 
・自分の言葉で語れていないことがわかる時(男性/その他/46歳)
・通り一遍の模範解答しかできない学生は、自分の考えを持っていない気がする(男性/金融関係/40歳)
 
採用担当者は、臨機応変な対応力、思考力もみています。「マニュアルを覚えてその通りに受け答えができる、というのも立派な長所。ただ、やはり人=採用担当者の気持ちを動かすのは、人=自分自身の気持ち、ということを覚えておいて」(男性/コンピュータ関連技術職/33歳)
 

 敬語について

 
敬語や挨拶を聞いて、「マニュアルっぽさ」を感じ取ることも多いようです。尊敬語・謙譲語・丁寧語などを普段からきちんと使っているかどうかは、すぐにわかるもの。
 
「全く使わないのはもってのほかですが、多用しすぎると慇懃無礼に聞こえます。またよくあるのは自分を“尊敬”してしまうこと。ビジネス上の用語をすべて勉強してこいとはいいませんが、教授やバイト先の人など、目上の人に接する機会は作っておいたほうが慣れることはできます」(男性/営業・販売/47歳)
 
・間違った敬語を使用している(男性/総務・人事・事務/41歳)
・明らかに不自然な挨拶をきいたとき(男性/公務員/48歳)
 

 部活、サークルについて

 
続いて、部活やサークルに話が及んだときの回答にも、「通り一遍のものが目立つ」(男性/総務・人事・事務/45歳)という声がありました。
 
・部活をやっていた事を誇大にアピールする回答が多い。ただその部活で何をやって何を得て、自分にどうプラスになったかだけを聞きたいけど……(男性/研究・開発/45歳)
・サークルのまとめ役やバイトリーダーなどを勤めたことを話す人が多いとき(女性/総務・人事・事務/32歳)
 
ある採用担当者(男性/その他/42歳)は、
 
「よくありがちだと言われるのは、“まとめ役で苦労しましたが、コミュニケーションの大切さを学びました”とか、“リーダーとして指導することで自分も成長しました”といったものでしょう。ですが、採用担当者は、その学生が人よりも上の立場にいた、という事実だけをみて評価することはしません。
 
自分がどういう思いで何をしたのか、何を学んだのかなどを知りたいのです。何も崇高な信念をもってアルバイトを選んでいるべきということではありません。単純に“子供の頃から憧れていて、ケーキ屋さんを一度やってみたかった”“お金のため”でもいいのです。大事なのは、その人のホンネが垣間見えるかどうかということ。採用担当者が“そんなわけないでしょ!?”と内心思ってしまうような回答は、マニュアルっぽいとみなされてしまいます。
 
かといって、奇抜ならいいということではありません。採用担当者が興味をもつのは、一見ありきたりなようでも、どこかにその人の感性が感じられるエピソードが隠れていないかということです」
 
と話してくれました。一生懸命考えた回答でも、“マニュアルっぽい”と思われたらソンですよね。キーワードは“自分の言葉”です!
 
 
【調査概要】
方法:JOBRASS就活ニュース調べ(インターネット調査)
調査期間:2017年8月16日~2017年8月23日
対象:企業の採用担当者 計100名

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