• 2017.07.2408:00
  • 面接/筆記/ES対策

採用担当者「福利厚生についてどんどん聞いてOK!」 裏に隠された意図とは……

残業代が払われない会社があるとか、休みの制度は名ばかりだとかいうニュースが目につくためか、福利厚生に敏感になる学生は多いようです。先日は、ニュースサイト「AERAdot.」が、若者に“余暇ファースト”傾向があることや、夜中に企業に電話をかけ、ブラックかどうかを確認する学生もいることを紹介しました。
 
一方で、来年就活をする私大生・Nさんは、「休みなど、福利厚生に関する質問は、“休むことばっかり考えている”ように見られるから、あんまりしないほうがいいと聞いたことがあります。福利厚生について、面接ではあまり聞かないほうが良いのでしょうか?」と悩み気味。
 
そこで今回JOBRASSでは、採用担当者102名に対し、福利厚生について、面接で深く聞いて良いものかどうかアンケート。さらに、「聞いてよい」「聞かないでほしい」それぞれの意見を聞いてみました。
 
【福利厚生について、面接で深く聞いて良いものでしょうか?】
・どんどん聞いて欲しい 84.3%
・あまり聞かないで欲しい 11.8%
・聞いた時点でアウト 3.9%

 

 
調査の結果、「どんどん聞いて!」と質問を歓迎する担当者が8割以上。「聞かないで」とした担当者は、「あまり聞かないで欲しい」「聞いた時点でアウト」を合わせて15.7%という結果になりました。
 
ではそれぞれの意見を聞くとともに、「聞いてほしい」という人にも、とはいえNGネタはないのかどうか、直撃しました。
 

 どんどん聞いて欲しい

 
「どんどん聞いて欲しい」という担当者の間でも、スタンスは分かれるようです。「これからの時代当然」(男性/その他/44歳)、「どんどん聞く人のほうが会社に興味を持っている証拠だと思います」(男性/その他/45歳)とシンプルに質問を受け止める人や、
 
「後で後悔してほしくないから」(女性/その他/33歳)
「後で不満をいうより最初から分かったうえで入社を決めてほしいから」(男性/その他/46歳)
「思っていることであればどしどし申し出てほしいし、会社としても出来ることと出来ないことをはっきりと伝えたいから」(男性/その他/49歳)
「入ってこんなはずではなかったは困る」(男性/その他/40歳)
 
など、最初から腹を割って話をしたほうが後々のトラブルを避けられる、という意見が多くみられる一方で、
 
「あまりにも常識からかけ離れた思考をしているかどうかがわかる」(女性/その他/41歳)
「すぐ有給は使えるかと聞いてくるのは受かる気がないと思う」(男性/営業・販売/39歳)
「どのような質問でも構わない。休めないから辞めるという考え方をするのであれば、こちらも最初から採用しない」(男性/コンピュータ関連以外の技術職/41歳)
 
など、あえてなんでも聞いてもらうことで、その人物像を判断するという声も散見されました。
 
では、あまり聞かないで欲しい、聞くのはNGという人たちの意見は?
 

 あまり聞かないで欲しい

 
別に制度が不徹底とか、何か後ろめたい(?)ということではなく、細かすぎることを聞かれても困る場合がある、と漏らす担当者も。また、福利厚生にまつわる質問ばかりであることや、「好きな時に休めますか?」「絶対に育休はもらえるんですか?」など、自分のことばかり考えたような聞き方をされると、担当者は引いてしまうこともあるようです。
 
・社宅や保養所等のハード面は良いが、休暇や労働時間等、細かすぎる質問は部署やそのときの業務内容にもより答えにくいため、避けてほしいというのが本音(女性/その他/49歳)
・内容よりも1点に絞るくらいならいいのでは? あまり数多く聞くとどうなのか?と感じてしまう(男性/営業・販売/43歳)
・福利厚生の内容は当然聞いてもいいが、福利厚生への自己主張は控えた方がいい。要望ならいいと思う(男性/その他/47歳)
 

 聞いた時点でアウト

 
・給与へのこだわり。まだ何も働いてもいないのに……と思ってしまう(男性/その他/30歳)
・好きな時に休めますか? という質問をされたことがある。「好きな時」という言い方が……(女性/総務・人事・事務/41歳)
 
まとめると、基本的には採用側としても、働き方に対するスタンスを了解したうえで一緒に働きたいため、福利厚生関係の質問をすることがすべからくNGというわけではありません。ただ、あまりにそればかり質問していると、「自分の権利ばかり主張する、厄介なタイプ」と思われてしまうこともあるようです。
 
ある採用担当者(女性/総務・人事・事務/38歳)は、「基本的に、福利厚生関係は調べたらわかることです。実態を知りたいというのであれば、面接ではなくOB・OG訪問をしたほうが良いでしょう。もし不安があるのであれば、質問に制限はありませんが、聞き方は考えて。例えばいきなり“産休、育休などは絶対とれますか?”と聞くよりも、“長く働き続けたいと思っているのですが、例えば結婚・出産後なども…”など、自分がどうしてその質問をするのかを説明すると、担当者にもきちんと働く意欲が伝わります」と話してくれました。
 
 
聞きにくいことは「こう質問する!」プロが教える福利厚生の聞き方こちら
 
【調査概要】
方法:JOBRASS就活ニュース調べ(インターネット調査)
調査期間:2017年6月9日~2017年6月15日
対象:企業の採用担当者 計102名

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