• 2017.07.0708:00
  • 面接/筆記/ES対策

選考にAI活用、どう思う? 「公平」か「人間性の判断」で意見別れる

ソフトバンクが、2017年5月29日より新卒採用選考のエントリーシート評価にAI(IBM Watson)を活用することを発表し、話題となりました。応募者をより客観的に、また適正に評価することが目的だそうです。
 
対象となるのは総合職志望者のエントリーシート。過去のデータを学習させたIBM Watsonに応募者のエントリーシートデータを読み込ませると項目ごとに評価が提示され、合格基準を満たす項目については選考通過、それ以外の項目については人事担当者が内容を確認し、合否の最終判断を行うとのこと。IBM Watsonによる評価を活用することで、統一された評価軸でのより公平な選考を目指すとしています。
 
またこれにより、人事担当者がエントリーシートの確認作業に充てる時間を75%程度軽減できることが見込まれるため、生まれた時間を応募者との対面でのコミュニケーションに充てる予定でもあるとのこと。
 
ソフトバンクでは、AIを活用するのはあくまでもエントリーシートの判断のみのようですが、将来内定までAIがおこなう、という時代がきてもおかしくない……? そこで今回JOBRASS編集部では、社会人150名に、選考におけるAIの活用についてきいてみました。AIを活用するのは、どこまであり!?
 
【面接官が人工知能(AI)だったら、どう思いますか?】
・全部(内定まで)AIの判断で良いと思う 10.0%
・一部(学歴など)はAIの判断で良いと思う 37.3%
・一切AIを利用する必要はないと思う 52.7%

 

 
アンケートの結果、「一切AIを利用する必要はない」とする人が過半数の52.7%を占めました。ただ、「一部はAIの判断で良い」と考える人も37.3%と、3割以上います。では、それぞれの理由をみてみましょう。
 

 一切AIを利用する必要はないと思う

 
多かったのは、人を選考するときには人が実際に会って決めるべきなので、選考にあたってAIは一切必要ない、という意見。データ上だけからはわからない人間性などが判断されないという考えでした。
 
・データから、人材の良し悪しの判断はできないと思うから。いわゆる、高スペックな人でも、実際はいまいちな人も多い(男性/コンピュータ関連以外の技術職/47歳)
・ペーパー的な能力は判断できるかもしれないけど、人間の本質的な所は見抜けないと思うから(男性/その他/46歳)
・個性を評価されなさそうだから(男性/コンピュータ関連以外の技術職/33歳)
・仕事は人間がやるものである。だから人間が判断するべきである。面接官は長年の勘で人を見抜く能力を養ってきた。仕事の人材をAIで選ぶということは、例えていうなら結婚相手を自分自身で選ばないのと同じようなものだ。試行錯誤して考え決断する事が人間自身の成長につながる(男性/その他/49歳)
・所詮機械だし、人が採用する場合と結果は同じか悪くなるだけだと思うから。人の人間性や内面までは見抜けないと思う(女性/その他/29歳)
・人を雇うのなら人工知能に任せないで、自分の目で見て話を聞いて判断するべきだと思うから(女性/その他/45歳)
 

 一部(学歴など)はAIの判断で良いと思う

 
一部AIの利用もあり、という人たちの意見は、概ね「効率が良く、コスト削減できる」「感情的な部分や、主観、偏見が排除できる」というものです。なかには、「蓄積データを搭載することにより、個人の担当者よりも多くの経験に裏打ちされた評価を下すと思う」(男性/コンピュータ関連以外の技術職/45歳)という声もありました。
 
・時短化(女性/その他/43歳)
・どうせ同じ判断をするのならAIでよい(男性/コンピュータ関連技術職/40歳)
・ごく基本的な属性は、機械処理してしまった方が早い。先入観を取り去れるという利点もある(男性/その他/37歳)
・主観が入らない(女性/金融関係/43歳)
・偏見がない(男性/出版・マスコミ関係/40歳)
・コネ入社が減るかと(男性/その他/47歳)
・感情で採用するなどがなくなるので(女性/出版・マスコミ関係/43歳)
・人件費削減(男性/コンピュータ関連以外の技術職/45歳)
・人事部門も、機械により効率化できるものはあると思えるから(女性/その他/46歳)
 
では、「内定まですべてAIの判断で良い」という人たちの意見は?
 

 全部(内定まで)AIの判断で良いと思う

 
“AI利用はナシ”という人たちの「人が独自の感性をもって採用するべき」という意見とは裏腹に、「冷静で、感情が入らない」ことを評価ポイントにする声が大半を占めました。
 
また、AIでなくても、一定のデータ的な水準で見極めているので、結果として同じ」という意見や、「AIの判断であれば、就活生側も“何故落とされたのか”と感情が乱されることもなさそう」という見方も。
 
・感情がないから適正に判断してくれそう(男性/その他/47歳)
・客観的に評価すべき(男性/その他/49歳)
・個人の感情が入らない(男性/その他/47歳)
・所詮、人間の評価など入社試験で測り切れるものではない(男性/コンピュータ関連以外の技術職/49歳)
・対人間では、口のうまい人間がやはり採用されやすい。ある意味公平な判断だし、文句のつけようがない(男性/コンピュータ関連以外の技術職/40歳)
・面接に落ちた学生が落ちた理由を面接官のせいにしているのを聞いたことがあるが、AIにすればそういうのはなくなると思う(女性/その他/46歳)
 
生活にじわじわと取り入れられるAI。取り入れる企業が今後増えるかどうかは、AIの進化度合いにもよりそうです。
 
 
【調査概要】
方法:JOBRASS就活ニュース調べ(インターネット調査)
調査期間:2017年6月9日~2017年6月15日
対象:転職経験がある社会人の男女 計150名

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