• 2016.05.1711:30
  • 就活マナー

キャリアコンサルタントが教える! お祈りメールに返信は必要? もう一度受けられるの?

毎年200名以上の大学生を大手企業・人気ベンチャー企業に複数内定させているキャリアコンサルタント井上真里さんから、お祈りメールに返信が必要なのかどうか、一度落ちた企業に再チャレンジはできるのかを解説していただきます。

 

 「メールは自分で終わらせるルール」に縛られる私たち

「メールは自分で終わらせるように、と学校で教えられたのですが」という質問が、この2年ほどで増えてきました。あなたもそう教えられているでしょうか。目的は、企業の採用担当や先輩社員からのメールには必ず返事をするということなのですが、このルールによると、相手から返信が返ってこなくなるまで自分からはメールのラリーをやめられないということになります。

 
たとえば、これならいいですよね。
企業「10日14時にお待ちしています。」
学生「承知しました。当日はよろしくお願いします。」

 
ただ、こんな時はどうでしょうか。
OB「では、10日14時でよろしいでしょうか。」
学生「承知しました。当日はよろしくお願いします。」
OB「よろしくお願いします。」
学生「……(返信が必要?)」

この会話では、相手側の返信で会話が完結しているので特に返信は不要でしょう。必ず自分のメールで返すことにこだわるのではなく、やりとりの内容で判断するほうが自然です。

 
そして、今回のテーマである選考不合格通知のメール、通称:お祈りメールはどうなのでしょうか。
企業「貴殿の今後ますますのご活躍をお祈り申し上げます。」
学生「……(返信が必要?)」

 
メールを読んだまま放置する習慣より、いつもメールを確認したら反応しないと気持ち悪いという習慣はいいと思います。しかし、どこまで私たちはメールを返し続けなくてはいけないのでしょうか。

 
ましてや、お祈りメールにさえも試合終了後に笑顔でお互いをたたえ合うスポーツ選手のように、爽やかで気の利いた返信メールをしなければならないのでしょうか?

 

 お祈りメールに返信はいらない

私は過去2社で人事を経験し、今でも企業の採用コンサルタントとして就職活動に関わっています。採用する側としての意見では、お祈りメールに返信は不要です。そこで返信がなくても失礼だなと思う人はいません。

 
そもそも、エントリーシートや一次選考など応募者が比較的多い段階の選考では企業は一斉に該当者にメールを配信できるシステムを利用していることもあり、ひとりひとりにあてて個別にメールを送信しているわけではありません。かなり機械的であるということです。そのような事情から、あなたがお祈りメールへの返信に対して痛んだ心で頭を悩ませる必要もないでしょう。

 
ただ、もちろんお祈りメールとひとくくりにできないこともあります。応募した企業の規模や、選考の段階によっては、お祈りメールの送信元をあなたも既によく知っていて思い入れがあり、あなた個人に対して文面を考えて書かれたメールだと感じられる場合もあるでしょう。その時は、自然とあなたも、返信したくなるのではないでしょうか。悔しいという思いは残るものの、企業に出会えたご縁と選考で話せたことへの感謝などを伝えたくなりませんか?

 
つまり、定型的なお祈りメールには返信は不要です。失礼にもあたらないので心配する必要はありません。ただ例外的に、メールをくれた相手や内容によって自分が返信したくなるメールがあれば、自分の気持ちや感謝を素直に伝えることがあってもいいじゃないか、ということです。

 

 企業は不採用の理由に答える義務はない

ここで、お祈りメールが来たときに、企業に不採用の理由を聞いてもいいのか? という質問についても話をしておきましょう。新卒紹介エージェントや企業側から不合格連絡と合わせて教えてくれる場合を除き、自分から聞いても回答は期待できません。

 
企業の選考では、不合格者に対して個別の理由をはっきり記録しておく必要がないので情報はあいまいなこともよくあります。また企業の採用担当は、企業に合う人を採用するのが仕事で、不合格理由を応募者に伝える義務はありません。そこで不合格の理由を伝えて誤解をうけたり議論になったりするリスクを考えても、明確な答えを避ける傾向があります。

 
自分がデートをして、なんかこの相手は違うなと思ったときに、相手から「僕のどこがだめだったのかをハッキリと教えてくれ!」と言われたとして、あなたはどう思うでしょうか。あくまで自分の好みの問題だから、あまり気にしてほしくないなとか、なにかひとつ決定的なことがあるわけじゃなくて全体的なところだから説明が難しいし誤解されたくないなあなどと感じる人もいるのではないでしょうか。白黒はっきりさせたい人もいるかもしれませんが、人と人とのマッチングは、受験のペーパーテストと違って論理的に説明したり点数化したりできないことのほうが多いものです。それと同じと考えてみてはどうでしょうか。

 

 不合格企業に再チャレンジできる道は意外とある

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