• 2016.07.2611:30
  • 就活マナー

複数社から内定をもらったときはどうする? キャリアコンサルタントが最後の1社に決断するための方法をアドバイス

選考の解禁時期の変更などの影響もあり、内定(正確には10月まで内々定。)を複数獲得している学生が今年はさらに多い印象ですね。数年前の厳しい時代の就職活動では考えられない位に、企業から多く「内定」が出ています。数年前に就活をしていた先輩達からしたら大変羨ましい状態ですが、そうなってみると意外に難しいのが「どのようにして一社に絞り込むのか?」という事です。嬉しい悩みではあるものの、いざ直面してみると意外にも簡単な判断ではない事ですので、そんな方々の為に少しでもお役に立てるような「解決法」をお伝えしたいと思います。

 

 そもそも「決断」とは?

就職活動において、決断とは「覚悟すること」する事ではないかなと私は思います。別の表現をすると「腹をくくる」とも言うのではないでしょうか?文字通り、少々大変な事があっても必ず乗り越えようとする気持ちや、仮にどんなに大変な経験をしても絶対に後悔はしない、または後悔をしない為の努力や行動をすると心に決めることです。「ひとまずこの会社に決めよう」「とりあえずこの会社に決めよう」「周囲が共感するからこの会社にしようかな」のようなあいまいな気持ちではなく、ハッキリと意思を持って決める事だと思います。

 

 決断をするために何をするべきか?

・就活スタート時の「軸」を再度考えてみる
就活をスタートした頃に「軸」というものを意識しながら企業選びをしていた方も多いと思いますが、改めて数ヶ月間就活を経た今だからこそ、最初に設定した「軸」にブレが無いか?または新たな認識や考えが生まれたりして、「軸」が変わって来ていないか?を確認してみて欲しいと思います。何かしら変化しているのは何も不思議な事では無いです。社会とほぼ未接触だった頃に設定した事ですから、ブレが出て来て当然かも知れません。自分の中で何かしら大きなインパクトがあった証拠です。また、全くブレずに同じ軸が今でも確固としてあるという人もいると思います。それだけご自身の中でこだわりが強い証拠だと思います。いずれにしても最新の自分の「軸」をもとにして、今の選択肢を考えてみて欲しいです。

 
・人事に正直に相談し、社員に会わせてもらう
現状の悩みや内定の状況など素直に今の気持ちを企業の人事担当者に相談してみるのも良い方法だと思います。「御社の◯◯がよりハッキリわかれば決断できます」という事をストレートに相談してみてください。ポイントは変な駆け引きや遠回しな表現などせずに、ストレートに伝え、相談する事だと思います。上記の「◯◯」は何かをしっかり自分で考えた上で相談すると人事の担当者にも迷惑では無いと思います。余談ですが、上記の相談をまともに受けてくれない様子であった場合は、残念ですが無理に追いかける必要はありません。人事の対応も一つの判断材料になります。採用におけるその企業の代表ですから、どのようなスタンスで「人」に関する問題に対処している会社なのかが見えて来ます。

 
人事に相談する際はできるだけ先輩社員にも合わせて貰うように働きかけてください。自分の3年後を知りたければ3〜4年目の同性の社員を希望する事。10年後の自分が知りたければ入社10年目前後の同性の社員を希望してみる事をお勧めします。自分の将来像はその企業の中の同じ年代の社員を見ればほぼ間違いなく予想できるからです。考えている内容、醸し出す雰囲気、任されている仕事の難易度など、自分がその年齢に達した時、果たしてどんな状態のレベル・スキル・人間性でありたいのかをしっかり事前に考えて相談に臨んで下さい。

 
・優先順位を決めて徹底的に比較検討する
自分の選社の軸は複数あると思いますが、その軸にも必ず優先順位をつけてください。「どれも大事」という考え方ではなく、必ず順位に当てはめて「絶対に譲れないこと」「場合によっては我慢できること」「どちらでもいこと」など明確に可視化しましょう。優先順位を定めるだけでもグッと結論に近づく事ができます。大事なポイントですから手抜きをせずにしっかり決めて欲しいです。

 
・決めたらきっぱりとお断りの連絡を入れる
もし企業を一つに絞る事ができたら、迷わずに残りの企業様にお断りの連絡をしましょう。「何か心境に変化があるかも知れないから」などと曖昧な状態を放置する事は待っている企業様に対して迷惑ですし、何よりも自分自身に対して「決断」を迫れていない状態ですから、覚悟も決まらず、その後の日々の生活に力強さも生まれてきません。「退路を断つ」からこそ、自分で決めた進路に対して本気で向き合う事ができます。退路を本気で断つために大事なのは、しっかりと吟味して比較して、自分の意思で考え抜く事だと思います。

 

 あまりお勧めしない、決断方法

・口コミサイトを読みあさる
手軽に調べる事のできるインターネットですが、無防備な就職活動に関することでの活用はお勧めしません。どの理由は口コミサイトで投稿するタイプの人たちを想像するとわかりやすいです。まず企業から引き合いの多い優秀な人材はこのようなサイトへの閲覧そのものも少ないでしょうし、書き込みまでしている人に関してはなおさら少ないと思います。口コミサイトに投稿するタイプはどうしても「成果が出にくい人」「他責思考(自分の努力よりも他が悪いと考えがちな人)」「ヒマな人」「迷っている人」が多いため、いざ真剣に読もうとしても偏った情報が多い事を認識しておきましょう。

 
・他人の意見で決める、他人の意見に左右される
親や、目上の人からの強い意見や説得で会社を決めるというのもお勧めしません。自分以外の人の意見で決めたとして、仮に将来、仕事を辞めたくなったり逃げたくなったとしても、「言い訳」が簡単に出来てしまうからです。自分で本気で決断した事であれば、浅はかな言い訳や中途半端な判断も減るはずです。

 
・目先の給料、ステータス、仕事内容で決める
「新人なのにたくさん給料が貰える」「新人の時からやり甲斐のある仕事を任せて貰える」「入社した事自体が周囲に対して自慢できる」、などなどよくありがちですが、上記のパターンの場合、他に何か問題があるはずと考えるのが賢明な考え方です。新人は新人らしく等身大のままで育ててもらう企業を選んで欲しいと思います。

 

 比較表を作成してみましょう!

比較する項目(=選社軸)のサンプルは以下の通りです。
参考にしてみて下さい。

 
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・仕事内容
→自分の挑戦したい仕事かどうか?
・理念への共感度
→理念を聞いて自分の心の中で沸き上がるものはあるか?
・親の共感度(応援してくれるか)
→親に共感してもらうだけでも支えになります。どの程度共感しているか?
・給料
→自分の希望する額に収まっているか?
・休日、勤務時間
→適切な量かどう、?イメージとかけ離れていないか?
・待遇面
→手当やその他の福利厚生などで嬉しい項目があるか?
・勤務地
→通勤時間や立地の面でイメージと合うか?
・イメージのしやすさ
→入社後の自分が想像できるかどうかはとても大事です。
・会社の雰囲気
→好きな雰囲気か、馴染みやすい雰囲気なのか?
・業界の将来性
→その企業を取り巻く業界の将来像は安心できるか?
・財務状況
→安心できる状態なのか?
・離職率
→長く働ける職場なのか、離職の原因は許容できる内容か?

 

 将来像をイメージして見る

自分のなりたい入社3年後(25歳)、5年後(27歳)、10年後(32歳)の姿をイメージしてみてください。その姿は今の会社にとって必要ですか? 比較表と並行して行ってみてください。

 
 

【筆者プロフィール】

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佐藤 大(さとう だい)

 
神奈川県出身。採用コンサルタント。就活アドバイザー。神奈川県の自動車販売ディーラーにて人事、採用に関する業務に約8年携わり、累計で延べ3,000名の学生の面接や就職相談に応じる。「人」の持つ可能性や組織に与える影響のの大きさを数多く目の当たりにしてくる中で、さらに追求すべく2015年より独立。高校生、大学生に向けての就職指導、企業の採用支援、採用担当者育成などにに携わり現在に至る。

 
 

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