• 2016.07.1908:00
  • 就活入門

元芸人のフリーライター 当時の月給を赤裸々告白!/今、働くうえで「大事にしていること」とは?

雑誌の編集部と契約をして仕事を請け負ったり、ムック本を作ったりと大忙しの日々を送る、フリーライター歴9年目のUさん(37)。高校卒業後、大学受験に失敗したところで、芸人になろうと思い立つというユニークな経歴をもっています。
 
芸人になってから、どうしてフリーライターになろうと思ったのか? 社員を募集していなかった雑誌に食い込んだ方法は? Uさんに、就活ならぬ“働く”ための活動を聞きました。芸人の月給、働くにあたって大切にしていることなどが、次々と明らかに……!
 
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高校を卒業して、なんとなく芸人になりたいなと思いつつ、文化学院っていう専門学校に行ったんです。3年間あるけど、1年でやめちゃった。次に演劇・舞台の専門学校に行きました。ここは2年間行きました。でも、ただ遊んでいただけ……。そこで芸人よりも頭が演劇になっていて、次に劇団養成所に行って。1年くらいいました。
 
そうしたら、ホリプロが芸人というかタレントというか、そういう人を募集していて、専門学校の友達と一緒に受けて、それでコンビを組んで、2人で芸人になりました。芸人としてはほとんど収入はないので、バイト生活です。
 

 壮絶な“売れない芸人”の月給

 
給料は歩合制です。「アッコにおまかせ!」(TBS系)の前説をやったりしていました(※「前説」とは、テレビの公開生放送や公開収録で、本番・収録前に、観客におおまかな番組の説明や注意事項をしたり、拍手や笑いのタイミングの説明・練習をすること)。
 
前説は5分なのですが、毎週日曜日、リハーサル込で4時間拘束されるんです。私たち芸人2人とアイドルの卵2人、合計4人で、(リハーサル時、)タレントの“仮”役とか(でトーク進行のタイミングを測ったり)、アシスタントとか、お客さんを出して記念品を渡すところまでやっていて。1人月1万円でした。
 
ライブはノーギャラか、1回500円とか。リポーターで地方に行ってたときは、バイトもできなくて。最高にもらった時で月10万円でした。こんな生活を23歳から27歳まで4年半やっていて、いよいよ生活費やばいな。このままだと死ぬな、と。
 

 自分が好きなことと、「向いている」ことは違う

 
芸人になりたての頃はやる気満々、途中からは辞めてどうなるのかもわからないから、続けていただけかもしれません。でも芸人をやって気がついたのは、私は「面白くすること」じゃなくて、ただ「面白いものが好き」なんだっていうこと。自分でわかりそうなものですが、意外とわからなかったですね。
 
芸人の次は、就職するって決めていました。その時27歳。とりあえず書店営業をする会社で、アルバイトみたいな感じで営業をやったんですけど、イヤで……。それと同時に、某雑誌に連絡をしてみました。その雑誌が好きだったというだけです。その雑誌に関わる形で何らか働きたくて、でも何をしたらいいのかわからなくて。とりあえず雑誌のいちばんうしろに書いてある番号に電話したら、たまたま編集長が出て。
 
「芸人をやってました」って言ったら、「面白いからおいで」って言われて。まともに働いたことがないし、何もわかっていなくて、とにかく「何でもしますよ」ということをアピールしました。「買い物もしますし、掃除もしますよ」と。
 
行ったら編集者と編集長がいて。その時は、ライターになろうとは全然思っていませんでした。自己PRとか、何もウリになりそうなものがないので、一応自分が出演したライブのDVDを持って行ったくらいです。雑談をして、じゃあ連絡しますよという感じで。2ケ月くらい連絡がなかったんですが、忘れかけたころ、突然特集を手伝ってくれっていう電話がありました。とにかく与えられたお題について体を使って調べて、書いて、送ったら、いいねと言ってくれて。そこからその雑誌と契約し、がっつり定期的に仕事をするようになりました。
 

 「なんでもやる」という姿勢

 
1人の編集者のもとで、ライターの修行を積みました。その人の鉄則が「ガタガタ言わない、お金のことにあれこれ言わない、飲み会にいく」、その3つ。いろいろ言う人はめんどくさいからって。3年くらい一緒に仕事をして、本当にいろんな人を紹介してくれて、とにかくなんでもやりました。テープ起こしとかネタ出しとか企画書とか取材とか。自然といろんなことを学んでいったと思います。
 
芸人をやっていたことが役に立ったこと? 「根性あります」なんて自分から言ったことないんですけど、勝手にみんな、「(芸人だったんだから)根性ある」と思ってくれることでしょうか(笑)
 

 大事にしていることは

 
大事にしていること……うーん、私は他のライターさんに比べて、いろいろ……全然、“張り合え”ないから、自分ができる基本的なことは絶対守ろうと思っているだけです。締切守るとか、時間を守るとか。
 
あとは人を不快にさせないこと。ニコニコするとか、それくらいなら私にもできるかなって。誰でもできることなのに、案外やらない人は多いですよね。
 
あと、反面教師で、「この歳になったときにコレはやらないようにしよう」と思ったことはあります。嫌味ったらしいとか、エラそうとか、自慢をいっぱいするとか。
 
月収1万円とかザラなのに、バレンタインデーには相当数チョコを用意して、配りまくらなくちゃいけない。そのおかげで、お金を有り難いと思えるようになったのは良かったと思います。
 

 今就活に悩んでいる人へ。「若ければ、なんでもできる」

 
今就活に悩んでいる人、悩むのは当然だと思うんです。外に出てみたら傷つくし。でも、夢を固めすぎなくていいのかなとは思います。1回、我慢して、なんでもいいから「外」に出てみると、見えるものが全然違う。
 
今37歳ですが、もう“無理”ができない(笑)。若い世代にいいたいのは、「あんたら、こたつで寝れるでしょ!」って。20代の頃、友達の家のこたつで雑魚寝なんて当たり前。それくらい全然我慢できるし、体力があるんです。何を怖がっているのか、と。一晩中ゲームができるパワーがあるなら、電話をかけて、人に会うことなんて、おもいっきりできるよ。若ければ、まず上の世代は受け入れてくれるよ。就活にビビる必要なんてない。“選ばれる”んじゃなくて、“選んで”みたらいいんじゃないかな。

 
 

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