• 2017.03.0308:00
  • 就活入門

【中川淳一郎コラムvol.22】悩み相談)会社員に向く人、向かない人の違いってなんだと思いますか?

Q)就活生です。会社で働かなくてもいい気がします。自分は「歯車」っぽいのって、向かない気がするんです。会社員に向く人、向かない人の違いってなんだと思いますか?

「歯車」ってどんなイメージで使っているんですか? 人間は全員が社会全体の歯車です。とんでもなく稼ぐプロ野球選手であろうと、「スポーツ観戦が好きな人を満足させる歯車」でしかありません。

あなたがおっしゃるところの「歯車」は、おそらく「命じられるままに仕事をさせられ、低賃金で働く」ということでしょう。もしも大金を稼ぐようになったら「歯車」とは言わないと思います。

「向く人・向かない人」の件については後述しますが、その前に。結局「歯車」なんて言葉はその程度のどうでもいい言葉なんです。ですから、「会社員=歯車」という固定観念は捨て去った方がいいでしょう。外資系投資銀行で年収5000万円を稼ぐ人やら、一部上場企業で2億円の役員報酬を得る人のことは「歯車」とは言いませんよね。

さて、会社員に向く人・向かない人でいえば、ここでは私のことを一旦考えてみたいと思います。私は「向かない人」です。元々、広告業界2位の博報堂に入ったのですが、4年で辞めました。理由は「自分は会社員には向かない」と考えたからです。以後、会社員になったことはありません。基本はフリーランスで仕事をしています。

あと、博報堂のような会社だからこそ、4年間働けたと思います。他の会社であれば、多分1年で自暴自棄になって辞めていました。私自身、博報堂は全然嫌いではありません。あくまでも「会社員」という働き方が向いていなかっただけです。

なぜ、会社員が向いていないかといえば、以下の点に見ることができるかと思います。

・参加する必要性が薄い会議に参加するのが面倒くさい
・時々発生する「社内イベント」みたいなものが面倒くさい
・エレベーターで、乗る時も降りる時も「立場の高い人ファースト」みたいな妙な配慮が嫌い
・スーツを着なくてはいけないのが嫌い
・決まった時刻に会社に行かなくてはいけないのが嫌い
・昼間にランチに誘われるのが嫌い
・異動した先で新しい人と仲良くやれるか毎度ドキドキするのが煩わしい。小中学校の「クラス替え」を未だにやらなくてはいけないのかよ、と思う
・出世する人・出世しない人の両方がいて、それらが共存している様がキツい

これらを総合すると「集団行動が嫌い」「いちいち人に命令されるのが嫌い」「様々な儀式的なものが嫌い」「誰かに人生の進路を委ねるのが嫌だ」ということになります。いや、「嫌悪感」と言っても良いかもしれません。そのため、私は会社員という生き方を一生選ばないことを決めたのでした。ちなみに、値段が安いのは理解していますが、私はパック旅行に一度も参加したことがありません。「チェコ・プラハとドナウ川の旅路5泊6日15万2000円」みたいな比較的安いパック旅行があったとます。同じ場所に行くにしても、パックを選ばず、25万円かかろうとも勝手な旅をしたいと考えています。

今、私がここで挙げた件について賛同するようでしたら、あなたは会社員に向いていません。私に対して反発の心を抱いたのであれば、会社員になった方がいいと思います。ここで結論付けるのも乱暴なので、一応「フリーランス・起業家向きの人」の特徴も最後に書いておきますね。

・失敗した時に他人のせいにするのではなく、全部自分が悪いと受け止められる人
・貧乏でもなんとか生き残れる人
・他人の評価なんてどうでもいい人
・家族がいなくてもいい人
・安定はしないものの、一攫千金を狙いたい人(ただし、失敗した時は自分が無能だった・時の運が悪かった、と認められる人)

【筆者プロフィール】

中川淳一郎(なかがわじゅんいちろう)
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編集者

1973年生まれ。東京都立川市出身。1997年一橋大学商学部卒業後博報堂入社。
CC局(現PR戦略局)に配属され、企業PRを担当。2001年に無職になり、以後フリーライターや編集業務を行ったり、某PR会社に在籍したりした後ネットニュースの編集者になる。

著書に『ウェブはバカと暇人のもの』(光文社新書) や『内定童貞』(星海社)など。

 

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