• 2016.09.2004:00
  • 就活入門

“就活うつ”をどう立て直す? 「認知行動療法」で心のバランスを整えよう

就活をしていると、時には面接が上手くいかなかったときなどに落ち込んでしまうこともあるでしょう。思うように進まないと、ついついネガティブ思考になってしまうものですが、中には“就活うつ”に陥ってしまう人もいるようです。
 
しかしそんな時、無理にポジティブになろうとするのは難しいもの。それよりも、まずはいったん思考の悪循環を断ち切り、心のバランスを整えて現実的な着地点を見つけることが大切です。そうすれば、いまの自分にもできることが見えてきて、気持ちを立て直せるかもしれません。
 
では、どのような方法で行えば良いのでしょう。今回は、極端にネガティブ思考になってしまったとき、心のバランスを取り戻すのに役立つ「認知行動療法」という方法をご紹介します。
 

 「認知行動療法」とは

認知行動療法とは、うつ病治療などに使われる精神療法の一種。とはいえ薬などを使うのではなく、ひとつの事実を様々な角度から捉え直し、ネガティブになりすぎた考えや行動のパターンを変えていく方法です。
 
その効果は医学的に証明されており、アメリカやイギリスの治療指針では「うつ病が軽いときには薬を使うよりも、認知療法を使う方が良い場合が多い」と書かれているそうです(*1)。“うつ病”と聞くとちょっと大げさに思われる人もいるかもしれませんが、そこまでではなくとも、日頃ストレスをかかえている人なら、きっと役立つことでしょう。
 
では、ここからは就活うつにも使える「認知行動療法」の進め方についてご紹介します。(就活用にアレンジを加えています。)
 
全体の流れは以下のような順番で、それぞれの内容を書きだしながら進めていきますので、ぜひ試しにノートなどを用意して一緒にやってみてください。
 

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認知行動療法の流れ(就活用)※目次(クリックするとその章に飛びます)

 
【1】いまの状況

 
【2】気分

 
【3】思わず考えてしまうこと

 
【4】そう思ってしまう理由

 
【5】その考えと矛盾している事実

 
【6】柔軟な考え・現実的な着地点

 
【7】心の変化

 

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それでは、ここから一つひとつの項目について見ていきましょう。
 

 1. いまの状況を書きだしてみましょう

あなたは今、どういう状況でしょうか。
まずは客観的に見ながら、紙に書いてみましょう。
例えば、以下のような感じです。
 
【例】
エントリーシートを20社出したがなかなかとおらない。
面接には数社行ったが最高でも2次面接までしかいけず、焦りからか思うように就活できていない状態。
最近は、早い段階で内定をとった友人からも気を使われるようになり、劣等感で人間関係もギクシャクしてしまった。
 

 2. いまの気分を書いてみましょう

次に、いまの気分のレベルを書きだします。
最大100%として、どういう気分がそれぞれ何%くらいなのか数値化してみましょう。
こういった作業をすることによって、ぐちゃぐちゃに絡まった気分が少し整理されるはずです。
 
【例】
不安(80%)、焦り(80%)、後悔(60%)
 

20160920_就活中のネガティブな気持ちどう立て直す?01

 

 3. 思わず浮かんでくるネガティブな気持ちを書きだしてみよう

あなたがいま、頭の中に思い浮かべてしまうネガティブな気持ちはどういったものでしょうか?
素直な気持ちを書きだしてみましょう。
 
【例】
1)受からないなんて自分はダメな人間だ
2)このままどこも決まらなかったらどうしよう
3)もっと前から就活準備をしていればよかった
 

 4. そう考えてしまう理由を書きだしてみよう

あなたはどうしてそのような気持ちになってしまうのでしょうか?
そう思ってしまう理由を書きだしてみましょう。
 
【例】
1)落とされる度に自分を否定されたような気になるから。
2)こんなに受からないのなら、どこも受からない気がするから。
3)周囲に比べて遅れをとってしまい、焦っているから。
 

 5. 今の気持ちと矛盾する事実を書きだしてみよう

その理由に矛盾する事実はないでしょうか?
もう少し広い視野で考えてみましょう。
 
【例】
1)就活はそもそも受からないこともあるものだ。
2)今は売り手市場。16卒の内定率は、大学4年生の1月で92.5%。真面目にやっていれば、いつか決まる確率のほうがはるかに高い。
3)今年は短期決戦と言いながら長期化しているので就活生の行動もバラバラ。そんな中、遅れをとった人は結構多く、自分だけではない。
 

 6. 柔軟に考え直し、現実的な着地点を書きだしてみよう

先程の矛盾した事実を踏まえ、もう一度いまの気分について見直してみましょう。
その際のポイントは、できるだけ頭がやわらかくなるよう意識してみることです。
無理してポジティブになる必要はありませんので、無理のない範囲で現実的な着地点を探してみましょう。
 
【例】
1)まだ受かっていないけれど、就活しながらちゃんと成長している。
2)淡々とやっていればいつか受かるだろう。
3)過去は変えられないが、就活をはじめてからは真面目にやっている。引き続き頑張ろう。
 

 7. 心の変化

ここまでやってみて、気持ちの変化はあったでしょうか?
先ほど書いた気分がどのように変化したか、数値化して見比べてみましょう。
 
【例】
不安(30%)、焦り(40%)、後悔(10%)
 
20160920_就活中のネガティブな気持ちどう立て直す?02
 

 最後に……

いかがでしたか? ネガティブな気分が小さくなった人もいれば、あまり変わらないと感じた人もいるかもしれません。その場合は、まだ一つの考えに捉われすぎている可能性もありますので、他に異なる捉え方がないかもう一度探してみましょう。
 
ストレスがあるときにこの作業を繰り返していくと、どんなときでも心のバランスを上手くできるようになっていきます。この認知行動療法は、社会人になって悩みにぶつかった際もきっとあなたの助けとなるはずです。
 
それでももし、ネガティブ思考が続くときは、“就活うつ”に陥る前に、学内のキャリアセンターや就職支援セミナー、JOBRASSのエージェントサービスなどを利用するのもオススメ。一人で抱え込まずに就活のプロに話すことで、自分では思いつかなかった糸口が見つかるかもしれません。ぜひ参考にしてみてくださいね!
 
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【参考先リンク】
*1
こころが軽くなる認知療法活用サイト
http://www.cbtjp.net/cure/cure2.html

 
【参考文献】
大野裕 (2003)『こころが晴れるノート―うつと不安の認知療法自習帳』創元社

 
 

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