• 2016.07.1511:30
  • 就活入門

キャリアコンサルタントが教える1dayインターンシップの見どころ・活用法は?

数時間のいわゆる1dayインターンシップについて効果的な活用方法を知りたいというリクエストをいただきました。今も忘れませんが、私が企業の人事になって最初に任せられた大きな仕事が1dayインターンシップの企画でした(大変だった……)。その後も人事としていろいろなインターンシップを企画運営し、今もキャリアアドバイザーの業務と並行して現役の採用コンサルタントとして企業のインターンに携わっていますので、現場の視点から有効な活用方法について解説したいと思います。

 
まず、インターンシップ=職業体験というイメージが強いですが、1dayインターンシップで本当に仕事や企業の具体的な内容を知ることは不可能です。1dayインターンシップという形式は、以前まで10月解禁だった企業の広報活動が2ヶ月後ろ倒しされて12月になり、また更に3ヶ月後ろ倒しされて3月になるに連れて増え続けました。これはつまり、当時は秋頃~年末にかけて「業界研究セミナー」や「仕事研究セミナー」として説明会や選考が本格的に始まる前の入門編として行っていたプログラムが「インターンシップ」と名前を変えて行われているわけです。だから、就業体験というよりも業界や職種について興味をもつため、概要をつかむための勉強会だと思って参加してみてください。その方が、ギャップがないと思います。

 

 インターンシップで垣間見える企業や社員の様子をチェックしよう

インターンシップに行けば、社員の雰囲気がわかる!という人もいるでしょう。その通りなのですが、企業によっては1dayインターンシップのプログラムそのものを外部に任せていることがありますので、全員が社員ではないかも知れないという認識でいるくらいがいいと思います。

 
誤解にならないように伝えておくと、インターンシップを外部の企業に委託するのは企業が採用活動にやる気がないからではありません。大がかりな採用イベントは、いつもの業務外の活動のため、スタッフとなる社員を調整するのも大変です。また、インターンシップのようなイベントの企画に慣れている企業ばかりではありません。慣れていない人が自己流で頑張るより、プロにまるごと任せる方が就職活動生に満足してもらえるだろう、その方が企業に好感を持ってくれる人も増えるだろうからと外部に委託することがあるわけです。

 
ただし、インターンシップで先輩社員として自分の仕事の内容まで具体的に話してくれるのはさすがに現場の社員でしょうから、その人たちから社員の雰囲気がわかると思います。また、社内で開催してくれるインターンシップであれば、その会社でどんな服装、雰囲気の人が出入りしているかということからも会社の雰囲気を感じることができるでしょう。

 
学生のサークルやゼミなどと同じで、業種や職業的な特徴もあって、企業も似たような人の集まりです。テニスサークルと映画研究会の違いとか、ありそうでしょう? 直観的にその企業で働く人の空気に自分が合うかどうか感じられる部分もあります。そのあたりは、たくさんの会社を体感すればするほど違いがわかるようになってきますので、感じてみてほしいと思います。

 

 インターンシップの合否は選考合否に影響するのか

インターンシップで、人事に目を付けられれば選考に有利ということを期待して参加する人もいると思います。また逆に、インターンシップの選考で不合格になってしまったら、本選考にもマイナスなのではないか?と考える人もいるでしょう。

 
選考直結と企業が明言しているものでない場合は、結論「インターンシップに参加してもしなくても受かる人は受かるし、落ちる人は落ちる」という考え方がしっくりきます。実際に某大手損害保険会社のインターンシップに応募して一次選考で不合格だったけど、内定が出たという人もいます。逆に、インターンシップでいろいろな社員や人事と話もして仲良くなったのに本選考で不合格だったという人もいます。

 
インターンシップで評価が高かった、目立っても内定に直結しない理由についてもう少し詳しく話しておきます。インターンシップを運営している人事から印象がよかったとしても、本選考で最終的に内定を出すか判断するのは、その人事よりも上の役職の人になるからです。(企業で内定を判断できるほど高い役職の人が、採用の序盤であるインターンシップに深くかかわることは相当レアケースのため)。だから、人事や現場社員の印象が良くて選考が短くなったり、スムーズに進んだりすることがあったとしても、それはイコール内定ではないのです。

 
インターンシップではつい自分をアピールしたいとか、社員に「うちの会社に来てよ!」と褒められると内定をもらったかのように嬉しくなってしまいがちですが、あまりインターンシップの合否や評価に振り回されないことも大切です。

 

 1dayインターンシップで企業から先行で連絡を受けられることもある

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