- Profile
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氏名:戸村 剛
職種:生活支援員 主任
入社:2011年2月
部署:恵和青年寮 東の家
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埼玉県出身。大学時代は美術大学へ進学し、油絵科を専攻。 卒業後はフリーでデザイナーの活動を始める。 その後、昔一緒に遊んでいた自閉症の友達のことを思い出し、知的障害者について関心を持つようになったことから、2011年2月、社会福祉法人恵和に入社。 現在は、生活支援員主任として、恵和青年寮東の家に所属している。(取材日:2015年10月現在)
What I do-こんな仕事をしています- 一人ひとりに最適な支援を考えていく。
知的障害のある成人男性が入所している東の家では、利用者さんの特性に応じて支援計画を組み、日常生活におけるさまざまなサポートを行っています。例えば、自立度が高い方には、ボールペンの製造といった生産作業をやってもらったり、ある程度の介助が必要な方には、散歩やドライブなど気分転換の時間をつくってみたり。利用者さんにとって少しでも良い変化をもたらす支援ができればと思っています。
この仕事は本当に面白いです。毎日違うことが起きるし、現場に入らないとわからないやりがいもたくさんあります。「家みたいだな」と感じるくらいリラックスできるときもあれば、仕事として緊張感を持つときもある。家じゃないけど、家みたいというか、いい意味でリラックスと緊張が均衡している感じですね。
現在東の家は、2016年の春に向けて改装中で、これもまた楽しみなことのひとつです。きれいで広々とした新施設から、心機一転、新しいことが始まりそうな気がします。
My work -先輩たちの働く姿- さまざまな経験を通して、みんなで一歩ずつ前進。
恵和は、ご利用者さんと職員にいろいろな機会を設けてくれます。なかでも思い出に残っているのは、利用者さんと一緒に取り組んだ<壁画プロジェクト>。恵和の施設がある立地は坂が多く、段差の壁がたくさんあることから「ここに利用者さんの絵を描いてもらおう」という職員の意見から企画は始まりました。そこで僕が前にデザイン業をしていたことを知る職員から声がかかり、プロジェクトの指揮をとることとなったんです。基本的に僕は描かず、利用者さんが主体。テーマを決め、やり方を教え、あとは自由に書いてもらいました。大きなキャンバスとなった壁一面に、利用者さんみんなで描いた絵は圧巻でしたね。周りの評判も良く、施設からは職員特別表彰も受けました。 他にも、ある利用者さんの作った人形を展示会に出展したこともあります。彼のつくった人形があまりにも完成度が高く、それに感動した僕が「これを展示に出そうよ!」と提案をしたことがきっかけでした。最初は人形を手放したくないと頑なに拒否をしていたのですが、「人形は必ず戻ってくるから」と説得したところ、よく考えた末に「発表してもいいよ」と言ってくれて。その展示会には利用者さんのお母さんも来てくださり、「息子の考え方を変えてくれてありがとうございました」と、とても喜んでくださいましたね。新しい価値を受け入れるのは、ここの利用者さんにとってたやすいことではないのですが、この出展は利用者さんとご家族にとって大きな進歩となりました。僕にとっても、忘れられないうれしい出来事となりましたね。
My work -先輩たちの働く姿- 我が子を育てて知った、利用者さんとご家族の心の声。
施設に入所して離ればなれで暮らす、という利用者さんとご家族の心情を、働き始めた頃はそこまで深く考えていなかったと思います。ですが、自分に子どもが生まれ、保育園に預けるようになり、仕事に対する感覚が大きく変わりました。それは、家族を託す複雑な気持ちが、ようやく分かったからです。 預けなくてはならない事情を頭では理解していても、知らない誰かに家族を託すことはやっぱり不安なんです。まあ保育園なら我が子は夕方になれば帰ってくるんですが、利用者さんのご家族はそれが週1回の人もいれば、月1回、年1回と、頻繁には会うことができない人もいる。そう考えると、僕の感じたことの何倍もの寂しさや心配があるんだと思えました。そして、その気持ちを打ち消すことができるのは、“この職員なら大丈夫”という確信です。それから、ご家族との信用づくりを強く意識するようになりました。利用者さんのご家族がお迎えにきたときには、積極的に施設内での出来事を報告するなど、些細なことでも安心につながればと思っています。 僕の想いは、利用者さんやご家族の気持ちに共感し、自分なりに納得できるカタチで仕事をしたいというだけなんです。自分がやるべきだと思った行動が結果的に誰かの役に立っているとしたら、それは一番の本望ですね。
People and culture -働きやすい職場- どんどん広がる、恵和の“輪”。
職員に関していえば、ここの人間関係はすごくいいかなって思います。休憩室で会えば、本音トークで盛り上がるし、上司、先輩ともにとてもフランクです。 あと法人の福利厚生の一貫として発足している職員サークルがいろいろあり、とても盛んです。フットサル、バスケットボール、陶芸などがあって、なかにはサークルを掛け持ちしている人もいるくらい内容が充実していますね。系列施設の職員との仲を深められる絶好の機会にもなっているので、みんな積極的に参加しています。 先日は、フットサルクラブが地元の大会に出場したと聞きました。このサークルには利用者さんも参加して、みんなで楽しんでいたみたいですよ。一番盛り上がっているクラブなので、「自分も仲間に入れて」という人が施設内外からも続出しているようで(笑)。こうしてみると、恵和は人の輪が広がっていく場所なのかもしれません。障害者施設が遠く感じていた人も、恵和とかかわりを持って縁がつながり、また次の人を呼んでくれる。これから先もそんな場所であり続けたいですね。