- Profile
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氏名:北島 龍
職種:設計士
入社:2006年4月
部署:設計部商品開発室
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法政大学デザイン工学部建築学科卒。設計士を目指して就職活動し、自分の力を発揮できる場だと感じてスターツCAMに入社。これまでオフィスビルや複合商業施設、マンションなど70〜80件の設計を手掛けてきた。2016年に商品開発室室長に抜擢。免震マンションや大型の特殊案件などに携わっている。一級建築士。
What I do -こんな仕事をしています- 魅力ある提案を目指して建物の商品開発、ブラッシュアップを実現
賃貸住宅、オフィスビルや商業施設、高齢者向け施設や再開発事業など、スターツCAMでは多彩な建設事業を手がけています。当社の建物は基本的に完全自由設計でお客様に提案していて、私が所属する商品開発室では、こうした建物の「新しい商品の開発」「商品の標準化」「既存商品のブラッシュアップ」の3本柱で仕事を進めています。
私の担当では、マンションやアパートなどの賃貸住宅の提案が多いのですが、具体的には、まず商品コンセプトを考えます。当社では、お客様に「ここにこうした建物を建てて事業をしましょう」という提案から入るケースがほとんどです。競合会社がたくさんある中で当社を選んでいただけるよう、魅力的な提案が欠かせません。さらに、当社が提案する建物のデザインや意匠が一定以上の品質になるように商品の標準化のために取りまとめを行います。また、これまでに発表してきた建物は社会情勢やニーズなどによって毎年変化しているのですが、つねにニーズをリサーチしながら今ある商品をより良いものに改善することも私たちの仕事です。
私が商品開発室に配属になったのは2016年で、この部門に入って最初に心がけたことは、アンテナを高く張ることです。何気なく目にした建築とは一見関係なさそうなニュースでも、よく考えてみると建築に関係していたり、ヒントを得られたりします。たとえば、海外からの旅行者が増えて「民泊」が話題になっていますが、そうした社会の変化の中で発生するニーズを事業として成立させるにはどういった方法があるのか、裏付けされたデータをもとに考え、提案しています。
My choice -この会社を選んだ理由- 設計・施工のレベルの高さと自分のカラーを出せる環境
設計士を目指して、学生時代から設計事務所でアルバイトをしていましたが、設計事務所での仕事はアルバイトということもあり建築家のサポートがメインでした。就職では、もっと自分のやりたいことをできる場を求めて、ゼネコンや都市開発を手がける企業を考えました。 どんな建物を扱うのかが大切だと考え、当社の説明会に参加した後、会社の自信作を10件くらい教えてもらって実際に見に行ったんです。するとどの建物も細かい部分まで仕上がりがとてもキレイでした。当社の設計、施工のレベルの高さに感動したことが、入社の決め手になりました。 たとえば、サッシや照明器具などは設計士の知識やセンスで仕上がりが大きく変わる部分です。当社の手がけた建物は、明るいだけにしてしまいがちな照明が、間接照明一つまでよく考えられていました。見学した建物はみんな違う設計士の担当だったのですが、それぞれのカラーが出ていることも魅力的でしたね。この会社なら自分のカラーを出せると感じたんです。 入社1年目は千葉エリアを担当し、企画から竣工図の作成まで手がけました。その後、工事用の図面を作成する実施設計を担当。4年目くらいからSPDと呼ばれる特殊案件、大型案件だけを専門に扱うチームに入り、7年間ほど取り組みました。そして2016年に商品開発室の室長になったのです。 かなり早い昇進でしたが、設計面で一切妥協しないところを評価してもらえたのではないでしょうか。いろいろと大変な案件もありますが、時間がないから、と諦めたことは一度もありません。どの案件も責任を持って完遂したと自負しています。問題が山積みな難しい案件でも、最後まで粘って完成させ、最終的にお客様に喜んでもらうことができました。そうした姿勢を認めてもらえたのかなと思います。入社前に感じた通り、自分の納得できるまでやらせてもらえる環境であったことにも感謝しています。
People and culture -働きやすい職場- 入社してから実感したスターツCAMの社員の魅力
入社前は一緒に働く人についてはそれほど考えていなかったんですが、仕事をするようになってから、スターツCAMの人の魅力を実感するようになりました。 仕事を進める上で問題になりやすいことの一つは人間関係です。自分が好きに設計して、「図面どおりに作って」と営業や施工管理の人に言うだけでは、うまくいくものではありません。営業や施工管理の声を聞きながら、自分の要望を出していかなければなりません。その点、当社では仕事を進める時に話をしやすい人ばかりですね。 初めて一緒に仕事をすることになった施工管理の社員とも、初めて会ったとは思えないくらいすぐに話ができます。建設現場の人に怖くて聞けなくて一週間経っちゃった、なんてことはまずないですね。人間関係の良さが仕事がスムーズに進んでいる一番の理由だと思います。 月に1回くらいのペースで社長に商品の提案を行なっていて、社長や部長ともよく話すことができます。社長をさん付けで呼んでいるのですが、一般的にはあまりないことですよね。立場も部署もまったく垣根のない会社だと思います。 そのほかにも、当社ではすべての建物に対して、デザインレビューという会議を行なっています。設計担当者が設計部門長をはじめみんなの前でプレゼンテーションをするのですが、そこでは本当にいろいろな意見が出ます。先輩社員の中には大手の設計事務所などから転職したきた人もいるので、違う環境にいたからこその新しい価値観を与えてくれることもあるんです。経験を積んだ先輩方や、若い発想の同僚など、いろいろな人から意見をもらえることはとても刺激になりますね。
My work -先輩たちの働く姿- 設計した建物は自分の作品。お客様と自分の両方が大満足できた時は感無量
以前、都心部に5階建ての個人住宅を建設した時のことです。1年近くかけてスタイリッシュなデザインの家を設計し、いよいよ施工となりました。ところが、工事が始まって什器の提案に入ったらお客様にまったく響かないのです。施工まではご主人と話し合いをしていたのですが、じつは奥様はクラシックなデザインがお好きだったことが判明。私としては一からデザインをやり直したかったのですが、すでに工事に入っており、引越しの時期も伸ばせないとのことで、それはできません。そこで、工事をしながらクラシックなデザインの建物へ変更することにしたのです。什器だけでなく構造からお客様に提案し直しながらの工事になり、すでに出来上がった場所を壊して作り直すなど、ほぼ全面的に変えました。 提案がなかなか通らず、苦労しましたね。玄関のタイルの種類や貼り方など、1つのアイテムにつき100種類ぐらい、建物全体で1万種類くらいの提案をしました。大変でしたが、設計士として良いものを作りたい。お客様の希望に応えながらも、自分の中でクオリティのラインを決めて、そこは守り続けました。 私以上に建設現場の人がかなり大変だったと思いますが、協力してくれて、ついに完成。建物の引き渡しの際、お客様は大喜びしてくださいました。マイナスから最終的にプラスの状態にすることができ、妥協のない仕事をすることができました。 自分が設計した建物は自分の作品だと思っています。お客様の要望にお応えする仕事である一方で、社会の中に建てるのですから建築士の使命として、自分が良いと思っているものを建てたいという思いもあります。それが実現した時、自分の設計した建物が認められ、自分自身が認められた時が最高です。年に1棟か2棟あるかどうかですが、自分も大満足できて、お客様にも大満足していただければ、それは完璧、感無量です。 設計士を目指したいなら、いかに早く自分の世界を作っていくかが重要です。人の真似をすることも大切ですが、自分の世界観を作り上げられると仕事がとても楽しくなります。どんどん建築のことを勉強してほしいですね。