- Profile
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氏名:戸川 なぎさ
職種:生活支援員 主任
入社:2010年5月
部署:恵和青年寮
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鹿児島県出身。大学時代は水産学を専攻。卒業後はエステティシャンとして6年間勤める。 その後、より深く人と向き合える仕事がしたいという思いから福祉業界に興味を持ち、高齢者向けグループホームに転職。 2010年5月、知人の紹介をきっかけに社会福祉法人恵和に入職。 グループホーム恵和やわらぎを経て、現在は恵和青年寮に所属。(取材日:2015年10月現在)
What I do-こんな仕事をしています- 知的障害をもつ方が、地域で生活するための場所をつくる。
私が働いているグループホーム恵和やわらぎでは、中度・重度の知的障害を持つ方の日常生活をサポートしています。
具体的には、生活介助、お食事づくり、お掃除、外出の付き添いなどさまざまです。ここには長い入院生活を明けて入所された常時介助が必要な利用者さんもいれば、自分の仕事を持っている比較的自立度の高い利用者さんもおり、いろいろな方がひとつ屋根の下で共同生活をしています。ここはご自宅とは違う、“地域で生活をするための場所”なのかもしれません。
恵和やわらぎが運営しているホームは全部で10拠点あり、1つのホームにつき5人の利用者さんが暮らしています。私も最近までは、このホームのなかで直接支援をしていましたが、現在は、多方面への調整業務がメインになってきており、施設全体の運営管理を通して利用者さんの暮らしを支えています。大変さはありますが、「この仕事が好きだな」と感じる場面はいくつもありますね。
My work -先輩たちの働く姿- “わかりやすい生活”をコーディネートしていく。
知的障害のある方のなかには、自分の思いをうまく伝えられない方もいらっしゃるため、些細な言動からもニーズを読み取ることがとても大事だと考えています。「どんなことに困っているのか」「どうしたら安心できるのか」を、各ホームの担当職員と一緒に考えながら支援計画を立ててきました。 こうしてみると、いまの仕事はいくつもの生活を見守るコーディネーターのような一面もあるのかなって思います。 また利用者さんへは、ホームでの暮らし方をシンプルに組み立てることに注力しています。これは私自身の考えなのですが、生活の場所って別に毎日楽しくなくてもよくて、ごくごく普通でいいと思うんです。例えば、部屋でテレビをボーっと見ているような、ただ安心できるだけの空間のような。 そうした暮らしやすい環境を提供し、“わかりやすい生活”を送っていただければと思っています。 以前、利用者さんから言われてうれしかったのが、「ここのホームが一番いいよ」という言葉です。その方はいろいろなホームで暮らしていたことがあったのですが、ふとした会話のなかでこんなことを言ってくださりました。以前の住まいよりもこのホームに来てからのほうが穏やかに暮らせているんだなと利用者さんの姿からうかがえると、この仕事をやっていてよかったなって思えますね。
My work -先輩たちの働く姿- 入社1年目、大晦日の涙と笑顔。
これは入社1年目のときの話なんですが、とある利用者さんと一緒に大晦日を過ごしたことがありました。年末が近くなってきたころ、ホームの方が次々と帰省の予定が決まっていくなか、その方ひとりだけは帰省をせずホームで年越しをすることになったんです。その利用者さんから「どこかに出かけたいな」という希望があったので、「じゃあ大晦日はビールでも一杯飲んで、元旦は初詣に行こうか!」なんて話題で盛り上がっていました。しかしいざ大晦日を迎えると「私には帰るところがなくて寂しい」と泣きだしてしまい・・・。私にできることといえば、寄り添ってあげることしかできないと思い、話しを聞いたり、一緒にご飯を食べたりしていました。 そうしているうちに、他のホームの職員も仕事帰りに立ち寄ってくれて。そのあとは、みんなでゲームをして遊んで騒ぎました。そうしているうちに泣いていた利用者さんも、最後は大爆笑してくれて。その日は満足してくれたようで、翌日は清々しい気持ちで一緒に初日の出を見ることができました。 ここにはいろいろな人が、いろいろな想いを抱えていらっしゃって、職員がその全部に応えることはとても難しいんです。だけどこの経験は、一人ひとりに深く向き合う大切さを感じられました。本当の意味での家族にはなれないんですが、相互の信頼関係が築けていれば、もう一歩踏み込んだことをしてもいいのだと自信が持てるようになりましたね。
People and culture -働きやすい職場- 結局は、私なりに福祉の仕事を楽しむだけ。
福祉業界で働くと一口に言っても、通所か入所かでも大きな違いはあります。 通所は、勤務時間が朝から夕方までで、週末が休みという場合も多いのですが、入所だとそうはいきません。365日24時間、職員は常に利用者さんのことを思いながら生活をしています。年末年始やお盆なども、カレンダーどおりに休んだりもできませんし、他の人が休みになれば代わりに出勤となることもあります。そんなことを言えば、とてつもなく大変な仕事だと思われてしまうかもしれませんが(笑)。 でも私はこの仕事を、この職場を、一度も辞めようと思ったことはありません。 それは、この場所で利用者さんと接することが好き、ただその気持ちがずっとあったからです。 上司も先輩も私が「やりたい」と主張したことには、なんでも柔軟にやらせてもらえました。失敗するときもあるけれど、それがダメなのではなく、原因を考えながら次に進めばいい。そんな考えがこの職場には根付いていました。利用者さんにとって必要なことであれば,やるべきだと背中を押してくれましたね。入社当初を振り返るととにかく目の前の仕事に一生懸命でしたが、それも5年経ちました。利用者さん中心の生活も、いまでは自分なりに毎日を楽しんで仕事をしています。